みなさん、こんにちは。
■1995年の超円高のとき、どういう手段が講じられたのか?
8月3日(水)に、財務金融委員会と経済産業省の合同審査会が行われ、円高問題について集中的に議論がなされました。
為替の専門家ということもあって、トップバッターとして私は質問させていただきました。
20分という短い時間でしたので、突っ込んだ質問は十分にはできませんでしたが、野田財務大臣と白川日銀総裁に円高にどう取り組むかをたずねました。
ご興味ある方は、衆議院のホームページにある「衆議院TV」をご覧ください。
質問の中で、1995年の超円高のときに、どういう手段を講じたかについてこちらからお話しをしました。次のようなことです。
●4月14日
日銀、公定歩合0.75%引き下げ
政府は内需振興、規制緩和、金融市場に関する施策等の「緊急円高・経済対策」を発表
●4月25日
G7声明 「最近の変動は、主要国における基礎的な経済状況によって正当化される水準を超えていることに合意した。彼らは、こうした変動を秩序ある形で反転させることが望ましいこと(中略)についても合意した」
●6月下旬
日米自動車協議の合意成立
●7月7日
日銀、「当面の金融調整方針について」を発表し、オーバーナイト・コールレートを公定歩合よりも低い0.75%に誘導
円売りの協調介入実施
●8月2日
大蔵省 「円高是正のための海外投融資促進対策について」を発表
円売りの協調介入実施
ルービン財務長官 「(アメリカ)政府は日本の当局が資本移動の障壁を取り除く政策を講じたことを歓迎する。これらの政策と協調介入は4月25日のG7による共同宣言に沿ったものである」
●9月8日
日銀公定歩合0.50%引き下げ
つまり、このときは、金融緩和、協調介入、政治問題の解決、内需拡大の経済対策、そして海外投融資促進という5点セットを順番に実施していったのです。

そのために投資家のマインドを変えることに成功し、4月に79円台をつけた後、8月から一気に反転して、100円を超える水準まで円安になったのでした。
■日本の当局の本気度によって、相場の展開は変わる!
今回は、ここまでのことは正直難しいと思います。
しかし、それでも国としてはこの急激な円高を覚悟をもって止めなければならないということを強く訴えました。
はたして、両名はどれぐらい感じてくれたでしょうか?

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨 vs 円 日足)
その本気度によって、この相場の展開は変わってきます。中途半端なことしかできないのであれば、これからも円高が続くということで、戦略は今までのままとしておきましょう(「米国で与野党が合意しなければドル暴落。日本の当局も円高是正の覚悟が足りない」など参照)。
本気が見えれば、見方を変えるかもしれません。
ともかく、今週はそれを確かめる週ですので、円買いポジションはいったん手仕舞って、次に備えましょう。
まずは、本日から始まる日銀の金融政策決定会合に注目しておきましょう。
(※編集部注:8月4日午前、政府・日銀は為替介入に踏み切りましたが、本稿はその介入以前に執筆者の今井雅人さんから寄稿されたものです)
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