では、今度は米ドル/円の週足チャートを見て、また違う観点から、今はどういう局面なのか、宮田さんに解説してもらおう。
■ダイアゴナル・トライアングルとは何か?
「下のチャートは2007年6月の高値124.16円以降のチャートです。先ほどの月足で出てきたV波の中身を詳しく表示したものになります。
ここにはダイアゴナル・トライアングル(斜行三角形)ができています」
ダイアゴナル・トライアングルというのは広い意味での三角保ち合いの一種になるが、特にエリオット波動で使われる言葉のようだ。
その特徴の1つは、上のチャートのように全体が下向きをしているダイアゴナル・トライアングルであれば、安値を結んだラインよりも、高値を結んだラインのほうが、傾きがきつくなることにある。
また、ダイアゴナル・トライアングルは次の図のような波と波の重なりが多いのも特徴だという。

■ダイアゴナル・トライアングルが終わると相場は反転する
「大事なことはダイアゴナル・トライアングルは大きな相場の最後に現れるということです。5波とC波にしか現れません。
そして、大きな相場の最後に現れるわけですから、ダイアゴナル・トライアングルが終わったら相場は反転するということです。
また、逆から見れば、今の米ドル/円にダイアゴナル・トライアングルが現れていること自体が、相場の最終局面であることを暗示しているとも言えます」
つまり、米ドル/円は長期円高トレンドの「最終局面」にあるということになる。
「ダイアゴナル・トライアングルは5つの波を必要とするのも特徴の1つ」と宮田さんは話す。
ここで今一度、米ドル/円の週足チャートを見てみよう。
(1)(2)(3)(4)(5)と番号を振ってあるのが5つの波だ。ダイアゴナル・トライアングルの中に5つの波があるわけだが、今現在はその「5つめの波=(5)波」まで来ていることがわかる。
これはつまり、米ドル/円が長期円高トレンドの「最終局面の最終局面」にあるということを示している。
■米ドル/円は「最終局面の最終局面の最終局面」にある!
「トライアングルを構成する各々の波は通常、a、b、cの3波で構成されます。上のチャートに記したように、5つの波それぞれにa、b、cの3波動構成が見て取れます
そうすると、今現在は(5)波の中のa波、b波は終わっていて、c波まで来ていることがわかります」
これはつまり、米ドル/円が長期円高トレンドの「最終局面の最終局面の最終局面」にあるということなのだ!!
V波の(5)波のc波。
我々は今、「円高5波動」の最果ての地に立っている。

エリオット波動で見ると、米ドル/円は今まさに、とてつもなく重大な歴史的局面を迎えようとしていることがわかるだろう。
(「宮田直彦氏に聞く(4) 40年に渡る長期の米ドル安・円高局面がついに終わる!」へつづく)
(取材・文/ザイFX!編集部・井口稔 撮影/和田佳久)
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