先週末は欧州の信用不安が払しょくされる期待が強まって、リスクテーク一色の相場展開となった。米国株で今年の最安値をつけにいったのが、今月の4日である。S&P先物でいえば1068ポイントだ。今年の最高値が5月につけた1373ポイントであることをかんがみると、その半値は1220ポイントだ。わずか10日間で今年の下げ分の半分を一気に戻したことになる。そのためユーロの買戻しを中心に、クロス円が高値追いの点か気が続いている。
私はテクニカルに忠実にユーロドルの1.38台を売り込んでいった。もちろん週の高値超えではポジションカットするつもりでいるので、1.3840でストップ注文を置きながら。欧州時間の間はたしかに1.3825あたりで何度もひっかかったが、ニューヨーク勢が参入するとユーロ買いが強烈に入った。
ユーロドルはあっさりとレジスタンスを抜けてきて、私のポジションも損切りさせられた。ちょっと私の見込みを違ってきたので、もう相場からは遠ざかることにした。ユーロドルはその後は利食い売りに押されても、それまでのレジスタンスであった1.3825をサポートにするような始末。ユーロは全面高となって、ユーロ円も107円台に乗せてきた。
そうしたリスクテークの流れを試すのが、今週の相場になりそうだ。まずはG20の結果をどのようにマーケットが消化するかだ。今日のアジア時間の反応を見る限り、週末の結果は前向きにとらえられているようである。アジア時間の早朝からユーロドル、およびユーロクロスは値崩れを起こしていない。これは欧州市場がスタートしてもなお続いている。
次には日本政府が週明けにも打ち出すという円高対策である。前回のような余剰のドル資金の有効活用といった、間に合わせの対策なのかどうかが焦点になる。失望感でドル円が再び76円台に押し込まれようものならば、株価の目先も抑えられることになってしまう。そのうえ日本の財務大臣は消費税の増税を国際公約のような形で表明してきたのだ。ちょっと国内的にリスク回避の動きになってしまうのは懸念事項である。
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