昨日の海外市場では欧州不安が小康状態。スペインの国債入札が無難に済んだからだが、このままリスクテークに向かってよいのか不明確であることもあり、結果的にはダイナミックさに欠けるものとなった。
しかし依然としてユーロは安値レベルに張り付いており、ユーロドルは1.30台をはさんだままでで、今年の安値である1.28台の後半まであと少ししかないという事実には変わりがない。
またユーロクロスもここ2週間の下落で傷ついてしまったものと見え、まったく戻りに勢いがない。ユーロポンドはちょっと戻ったといっても、0.83台であり、ユーロ円も101円台である。
ユーロクロスは欧州の信用不安が消えたと思われるところ節々で買い上げられてきたので、相当にコストの悪いユーロロングのポジションが積み上がっていると思われ、テクニカル的にも相当な激変がない限り、簡単には上げ基調には転じそうもない。
そうしたなかで昨日の欧州市場でも私は、変わらずのユーロベアのスタンスで臨んだ。安値攻めをし始めれば、文句なしにユーロの突っ込み売り。これはユーロドルに限ったことではなく、ユーロ円でもユーロポンドでもよい。
面白いレベルを下抜けしてきたら、なんでもよいのである。下げトレンドで気をつけないといけないのは、ショートポジションが短期的にたまり過ぎること。そのため必ずといってよいほど、きついショートカバーに見舞われる。
要するに目の前の相場が下げているのに、ショートポジションではなかなか上手く取りにくいということ。したがってトレンド方向と同じで攻めるには、利食いポイントではしっかりと利食い、損切りも値幅を決めて的確に行うことが必要となる。
むしろロングのほうがある程度、我慢していれば安定的に儲かるのではないかと思える局面もあるくらいだ。しかし日足のチャートで見て、下げトレンドが明確なのに、ロングで攻めるのは邪道というもの。ここはやはりショートで取れるところをしっかりと取っていく作戦にこだわらねば。
トレンドが下げだということの意味を考え直してみると、100下げて80戻るということだ。120戻ったら反転してしまう。だからきついショートカバーに出会っても、トレンドがブレークしない限りは、そこはラッキーな売り場だと信じて打っていかないといけない。
戻り出すと高いところでは売るのはちょっとつらいものがある。しかしチャートなどを見てテクニカルを分析しているのであれば、何のために長年にわたって見つづけて続けてきたことの意味がなくなる。
つまるところトレーディングとしては、その日の高値、もしくは前日の高値の近くまで上がってきたら、売ってみる。抜けないことを前提にしているポイントがあるはずなので、最悪でもそこでついたストップ注文での損失が確定するだけである。
ユーロベアのスタンスで攻めると決めてしまえば、やることはポジションメーキングでOCO注文を使えばよい。つまり突っ込んで売るか、戻りをしっかりと待って得るかということ。利食いのポジションクローズでもOCO注文を活用している。
さて今晩は、アメリカのCPIくらいしかイベントがない。欧州で金融当局者の会合も開かれているが、そこから先週のEUサミット以上ンフレッシュな材料が出てくるとも思われない。クリスマス前なので、相場がよりテクニカル要因とポジションの傾きに左右されることになるだろう。
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