明けましておめでとうございます。
本年も、よろしくお願いいたします。
■2012年はユーロオージーの急落でスタートした
2012年の為替相場は、ユーロクロスの下落でスタートしています。
年末年始のリスクを嫌い、昨年の最終営業日に本邦機関投資家が大口のユーロ売りを持ち込んだことをきっかけにして、ユーロ/円は節目の100円のバリアが決壊しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
また、年明けの株式市場が堅調なこともあり、足元の豪ドルは堅調に推移しています。
連れて、ユーロ/米ドルも1.30ドル台後半まで値を戻す局面があったのですが、1月4日(水)に、イタリアの銀行大手であるウニクレディトの株価が前日比14.45%も急落したことをきっかけに、ユーロ/米ドルは1.29ドル台前半まで反落しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
一方、ユーロ/米ドルの急落を横目に、豪ドル/米ドルは逆に堅調地合いをキープしており、現執筆時点では1.03ドル台前半で推移しています。
その結果、前回のコラムでご紹介したユーロオージー(ユーロ/豪ドル)は1.2500ドルをも割り込み、一時は1.2477ドルまで急落しました(「【2012年相場見通し】ユーロクロスに注目!ヘッジファンドの関心はユーロオージーに!!」を参照)。
直近のユーロオージーの高値は2011年11月23日(水)につけた1.3811ドルで、1月4日(水)の安値は1.2477ドルです。つまり、1カ月強の短期間に1334ポイントも急落したことになります。
(出所:CQG)
ユーロクロスに慣れていないと、この暴落がどれぐらいなのかピンと来ないかもしれませんが、ユーロオージーをユーロ/円と仮定すると、1カ月強で約13円暴落したことになります。
多くのヘッジファンドがユーロオージーの動向に注目している理由も、うなずけますね。
■2012年の相場はユーロ中心で考えたほうがわかりやすい
ユーロはここまで、対米ドルであるユーロ/米ドルだと大きな値幅を伴う下落とはなっていませんが、前述のユーロオージーを筆頭に、100円を割り込んでいるユーロ/円、ユーロ/英ポンド、ユーロキウイ(ユーロ/NZドル)と、主要通貨に対しては軒並み下落しています。
そして、ユーロクロス主導であるためにわかりにくいのですが、米ドル/円、豪ドル/米ドルをチェックすると、ユーロ安に並行して、米ドル安もジワリと進行しています。
2012年は米ドル中心ではなく、ユーロ中心で考えて、相場に向き合ったほうがわかりやすいのかもしれません。

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なぜ、これほどまでにユーロオージーというなじみのない通貨ペアが注目されるのかを友人に聞いたところ、返ってきた答えは、「最強通貨買いと、最弱通貨売りの組み合わせ」というシンプルなものでした。
ユーロオージーは大きな値幅を伴って振幅するため、ショートカバーも強烈ですから、実戦のトレードでは調整局面でのマネーマネジメントを徹底する必要がありますが、このユーロオージーの下落は当面続きそうであり、市場参加者の注目が集まっています。
■スイス国立銀行総裁の妻が米ドルを買っていた疑惑浮上
ユーロクロスと言えば、2011年の注目度ナンバーワンは、なんと言ってもユーロ/スイスフランでしょう。
さて、スイスフラン相場への影響が大きいヒルデブランドSNB(スイス中銀)総裁に関する次のニュースが、波紋を呼んでいます。
「スイス国立銀行(SNB、中央銀行)が社外秘の倫理規定を公表せざるを得ない事態に追い込まれている。SNBがスイスフランの急騰に歯止めをかけようと議論を重ねていた時期に、フィリップ・ヒルデブランド総裁の妻が『ばかばかしいほど安かった』という理由でドルを50万ドル購入していたことが発覚したためだ」(出所:2012年1月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
もし、この問題が深刻化して、総裁辞任といった憶測が広がってくれば、SNBという存在のみで支えられてきたユーロ/スイスフランの1.2000フランのフロアは決壊し、急落する可能性が出てきます。そのため、多くの市場関係者はこの報道の行方に注目しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 日足)
上記のように、2012年はユーロクロスの動向に注目しています。
それでは、本年もよろしくお願いいたします。
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