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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

ユーロの下落に引き続き注目! ユーロ/円、
ユーロ/スイスフラン、ユーロ/豪ドルの売り
で! 米ドル/円は130~135円程度のレンジか

2022年08月15日(月)15:36公開 (2022年08月15日(月)15:36更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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米議員団が台湾を電撃訪問。中国の反応は

米議員団が台湾を電撃訪問し、今日(8月15日)にも蔡英文総統と会談することになっています。


ペロシ米下院議長の訪台に対抗して始まった中国の軍事演習が、8月10日(水)に終了した裏には、米中間で何らかの「手打ち」があったのかと思いきや、この電撃訪問ですから、中国のメンツは丸つぶれですね。

ペロシ米下院議長のときには、中国側が深夜にもかかわらず米大使を呼びつけ、「過ちの代償を支払わなければならない」と強く警告しました。


今回はそこまでではありませんね。

中国は秋に中国共産党大会を控え、ゼロコロナ政策をおこなっていますから、積極的に動きたくない時期ですし、財政的にも厳しい。


4~6月期の実質GDPは前年同期比+0.4%と急減速しています。


とはいえメンツがありますから、何らかの報復措置に打って出ると予想されます。


ことの成り行き次第では、リスクオフの展開も想定する必要がありますが、為替市場でいえば円高リスクでしょうか。

米民主党としては、投票日まで3カ月を切った中間選挙前に向けて、実績を作りたいのかもしれないですね。


米国内ではFBI(米連邦捜査局)がトランプさんの家宅捜索に入りました。


2度の弾劾裁判でも有罪にできませんでしたし、今回も何も出てこないでしょう。


例え「トランプ逮捕」となっても、マーケットにはあまり関係ないとは思いますが。

S&P500は「半値戻し」を達成

株式市場は強いですね。S&P500は今年(2022年)の下げ幅の半値戻しです。


ここまではショートカバーでの上昇と見られていますが、「半値戻しは全戻し」との格言もあり、戻り売りから押し目買いへ目線を変える投資家も増えるでしょう。

S&P500 週足
S&P500 週足チャート

(出所:TradingView

先週(8月8日~)発表された米CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回り、来年(2023年)後半の利下げを織り込んで株が買われた、と解説されていますね。

コモディティ価格の下落で米CPIも落ち着きましたが、一次産品の下落だけでは、FRB(米連邦準備制度理事会)がターゲットとするインフレ率2%への到達は難しい。


先日話を聞いたエコノミストの方は、米CPIが下げ渋り始めて、FRBが再びタカ派へと変貌する来週(8月22日~)頃には、再び株式市場の楽観が後退すると指摘していました。

2%はおろか6%を割り込むのも難しいのでは。


しかもFRBは来月(9月)から、バランスシート縮小のペースを加速させます。


当初475億ドルだった保有証券の圧縮額は、来月から950億ドルに増額されます。株を買いにくい環境ですね。

原油の需要見通し、真っ二つに割れる

8月はリスクオフが警戒されやすい時期ですし、今日は米国債の大量償還があり、円高になりやすいアノマリーがあります。

米債償還の影響は落ちつつありますが、今日、明日(8月16日)は本邦企業のレパトリに警戒ですね。

原油市場では先週、90ドルを割る場面もありました。


今の焦点は需要見通し。月報ではIEA(国際エネルギー機関)が上方修正したのに対して、OPEC(石油輸出国機構)は下方修正と見方が割れています。


チャート的にはトップアウトに見えますし、コモディティ全般、需要がにぶるのではとの見通しが優勢で、価格は低下しています。


景気失速による需要の減退がインフレ率を押し下げて、金融政策をハト派化させるとして株価上昇を後押ししている側面もあります。

WTI原油先物 日足
WTI原油先物 日足チャート

(出所:TradingView

注目は引き続きユーロの下落。ユーロクロスの売り継続でよさそう

今週(8月15日~)はRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])が8月17日(水)に政策金利を発表します。


今回は0.5%の利上げで3%にというのがコンセンサス。年末には4%へ達する見通しで、アメリカの年末3.5%よりも高い水準です。


ニュージーランドのような小国は、米国よりも先に動く必要があり、いわば「中央銀行のトップランナー」


利上げによる景気減速懸念が高まっているなかで、今後の見通しをどう示すか注目ですね。

米ドル/円はいかがですか?

米長期金利(米10年債利回り)との相関が強まっている局面ですから、130円から135円程度のレンジでしょうか。


注目は引き続きユーロの下落


株価上昇では米ドル安になりやすいですが、それでもユーロ/米ドルの上値は重い。ユーロ自体が弱いのでしょう。


ユーロ/スイスフラン、ユーロ/円、ユーロ/豪ドルなどユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)売りの継続でいいと思います。

【参考記事】
ユーロ/スイスフランの売りを継続。深刻なユーロ安と、リスクオフや円高への警戒感も高まっている8月は、ユーロ/円の売りも良いか(8月1日、西原宏一・大橋ひろこ)
ユーロ売りが基本戦略、ユーロは「好材料のない夏」に。おすすめはユーロ/スイスフランの売り! ユーロ/円の売りも良さそう(7月25日、西原宏一&大橋ひろこ)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

ユーロVS世界の通貨 日足
ユーロVS世界の通貨 日足チャート


(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 日足

(構成/ミドルマン・高城泰)

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