ウクライナ危機でユーロ安が継続。円や米ドルよりも、それ以上に豪ドルが強い
為替市場はウクライナ危機で、ユーロ安が続いています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 日足)
リスク回避であれば、通常強くなる通貨は円や米ドルになりますが、それ以上に強いのが豪ドルになります。
(出所:TradingView)
豪ドルが強い理由としては、資源価格が上昇していることで資源国通貨が買われていることや、地理的にウクライナから離れているため影響が小さいこと、IMM(国際通貨先物市場)ポジションで昨年(2021年)から豪ドル売りが多かったこと、チャートポイントを抜けたことでテクニカル的なポジションが出たことなどが挙げられます。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
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ウクライナ危機でECBの年内利上げの可能性はなくなる。金融政策で難しいかじ取りを迫られそう
今週(3月7日~)ウクライナ情勢以外で注目するイベントとしては、10日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会と、米国のCPI(消費者物価指数)の発表になります。
米国のCPIに関しては、パウエル議長が議会証言で0.25%の利上げを示唆したこともあり、注目度は低くなっています。
強い数字が出たとしても、0.50%の利上げになるのは次回以降のFOMC(米連邦公開市場委員会)となりそうです。
ECB理事会では、前回の理事会で年内の利上げの可能性も出ていましたが、ウクライナ情勢により、その可能性はなくなっています。
ユーロ圏にもインフレ懸念がありますが、資源価格が上昇しているため、インフレが加速する可能性があります。
さらにウクライナ情勢によりユーロ安となっているため、通貨安によるインフレも重なります。
FRB(米連邦準備制度理事会)と比べると、ECBの方が金融政策が難しくなる、ということがいえます。
写真はECBのラガルド総裁。ウクライナ危機もあり、金融政策で難しい舵取りを迫られそう (C)Visual China Group/Getty Images
米国もインフレが進んでいますが、経済指標が良いこともあり、利上げで対応できますが、ユーロ圏に関してはウクライナ危機で景気が悪くなる可能性があり、さらに通貨安(ユーロ安)にもなっており、金融政策のかじ取りが難しくなってくると思います。
ラガルド総裁の会見でユーロ安の懸念が出るか。ただ、ユーロは反発しても売り方向で良さそう
今週(3月7日~)のECB理事会で、すぐに金融政策の方向性が決まることはないと思いますが、ラガルド総裁の会見ではインフレにもつながるユーロ安に対して、懸念する発言が出る可能性があると思います。
そのときはユーロは反発することになると思いますが、今後の金融政策が難しくなることを考えると、ユーロは売り方向でいいのではないかと思います。
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ウクライナ危機で、一番動いているのがユーロ/豪ドル。超長期的な安値1.36豪ドルが下値メドに
買い方向の通貨に関しては、米ドル買いで考えていますが、円やスイスフランなども強くなりやすいように思います。
ウクライナ危機により、為替市場はユーロ/豪ドルが一番動いており、2018年からサポートされ続けていた1.52豪ドルを明確に下抜けてきました。
チャートからは、超長期的な次の主要な安値は1.36豪ドルとなり、ここを下値メドとして売られる可能性があります。
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルは1.1000ドルも下抜け、1.0806ドルまで下がりました。
今は1.0800ドルの節目で止まっていますが、ECBとFRBの金融政策の違いもあり売り方向で考えたいと思います。
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルは1.1000ドルがレジスタンスになると考えて、売りでのトレードがいいのではないかと思います。
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