金融政策面だけで考えると、ユーロ/米ドルには買い材料だが、相場は1.09~1.11ドルのレンジが継続
先週(5月1日~)は日本は連休でしたが、為替市場では重要なイベントが続きました。
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5月3日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)があり、0.25%の利上げを行いましたが、声明文では今後の利上げ継続を示唆する文言が削除され、パウエル議長の会見では、年内の利下げに関しては否定する発言となり、ほぼ市場の予想どおりの内容となりました。
5月4日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会では、0.25%の利上げとなりましたが、ラガルド総裁はまだ利上げを続けることを示唆しています。
こちらも市場予想とほぼ同じです。
市場の想定内の内容となっていますが、FRB(米連邦準備制度理事会)は利上げサイクルが終了した可能性があり、ECBはまだ利上げを継続するため、金融政策面だけで考えると、ユーロ/米ドルには買い材料となります。
ただ、相場の方は1.09~1.11ドルのレンジが継続しており、動きがない状態が続いています。
(出所:TradingView)
ドルインデックスは1カ月以上横ばい。米CPIでサプライズがない限り、1~2日の動きで終わりそう
今週(5月8日~)は、5月10日(水)に米CPI(消費者物価指数)の発表があります。
6月13日(火)、14日(水)のFOMCでは、利上げするか、据え置きか、まだ決まっておらず、今後のデータ次第としていることもあり、しばらくは経済指標が非常に重要となってきます。
そのため、米CPIの結果が米ドルの動きを作ることになりますが、ただ、ドルインデックスを見ると、1カ月以上横ばいが継続しており、動きがないことから、米CPIでサプライズがない限り、1~2日の動きで終わりそうです。
(出所:TradingView)
米ドル/円は年初来高値に届かず、調整が深くなったが、水準としては大きく動いていない
先週は、米ドル/円が年初来高値の137.90円を超える可能性を考えていましたが、そこまで届かず137.77円まででした。
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(出所:TradingView)
もう少し上昇を期待したものの、メルマガでは4時間足で買われすぎのサインが出ていたため、保有していたポジションは手仕舞いできましたが、コラムでは外れたことになりました。
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4時間足で、買われすぎのサインが出たことで調整相場となり、その動きが、日足で米ドル/円やクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の一部で包み足の形を作ったことで、さらに調整が深くなっています。
先週の米ドル/円は上下動しましたが、円が主導した動きとなっており、市場ではYCC(イールドカーブコントロール)の修正期待の売りポジションが多かったようで、それが切れたことで137.77円まで上昇させ、売りポジションが無くなった後、日銀の緩和の長期化期待で今度は買いが増え、それが今度は135円台まで下げたようです。
ただ、振り返ると、水準としては大きく動いておらず、米ドルも動いていないことから、為替市場は方向性のない推移が続いているだけになります。
ユーロ/米ドルも横ばいが続いており、英ポンド/米ドルは高値を更新しているものの、値幅は大きいとは言えず、しっかりとした動きは出ていないような状況です。
(出所:TradingView)
豪ドルなどオセアニア通貨は強い。豪ドルの押し目買いでよさそう
1~2週間で見ると、何度かこのコラムでユーロ/豪ドルのことを触れましたが、長期的な高値水準から下がってきています。
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(出所:TradingView)
週足を見ると、ユーロ/豪ドルだけでなく、欧州通貨に対してオセアニア通貨の組み合わせの通貨ペアは、包み足のような形となっており、下がる形となっています。
動きのない通貨ペアが多いですが、ユーロ/豪ドルなどは動きが出ており、戻り売りの相場だと思います。
(出所:TradingView)
そのため、豪ドルなどのオセアニア通貨は強いと思います。
米ドル/円は乱高下しているだけで動きがないため、豪ドル/米ドルや豪ドル/円で押し目買いでもいいのではないかと思います。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
米ドル/円は、どちらかというと戻り売りのようにも思いますが、先週に乱高下したため、市場参加者も痛手を負ったようで、すぐに動きが出てこないように思います。
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