みなさん、こんにちは。
■ユーロキウイが暴落し、10日連続の陰線引けに
先週の流れから変わらず、今週になってもユーロは続落しています。
このコラムで再三ご紹介しているユーロオージー(ユーロ/豪ドル)ですが、今週も大きく下落しています。一時は1.2314ドルまで急落しました(「ユーロオージーが年初に暴落! 2012年の相場はユーロ中心で考えればわかりやすい」など参照)。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/豪ドル 日足)
そして、ヘッジファンドがユーロオージー以上に注目しているユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)がユーロキウイ(ユーロ/NZドル)です。チャートを見ると、10営業日連続の陰線引けとなっています。
つまり、どんな甘いエントリーをしても、NY市場終了までショート(売り持ち)をキープしていれば、利益を確定できる可能性がきわめて高いという大相場になっています。
(出所:CQG)
ただし、ユーロオージー、ユーロキウイは極端なオーバーシュート圏内に突入しているので、調整の急反発を警戒する必要があります。
日本では、ユーロ/米ドルやユーロ/円の下落ばかりが話題になっていますが、欧米市場では、「ユーロ売り・オセアニア通貨買い」が主流になっているのです。
■最近のユーロは、リスクオンでもリスクオフでも売られている
なぜ、ユーロがこれほど一方的に売られているのか、その背景を探ってみましょう。
まず、ECB(欧州中央銀行)のバランスシートが急拡大していることが大きな要因として考えられています。ECBに対する追加緩和期待は根強く、ユーロは徐々にファンディング通貨(=キャリートレードをするときに調達される通貨)になりつつあるようです。
そのことは、リスクオンの相場展開になったときの市場参加者のユーロに対する反応で、違いを読み取ることができます。
昨年までは、リスクオンの相場展開と言えば「株買い、コモディティ買い、コモディティ通貨買い、米ドル売り、円売り、そしてユーロ買い」という流れでした。
ところが、昨年11月頃からこの流れに変化が起きています。
リスクオンの流れになると、株やゴールド(金)などの商品が買われ、豪ドル/米ドル、豪ドル/円が上昇するのはこれまでどおりであるものの、逆に、ユーロは下落する傾向にあります。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
それでは、逆にリスクオフの際にユーロが買われるのかと言えば、欧州発の悪材料でリスクオフになることが多いこともあって、「リスクオフ=ユーロ売り」という流れは変わりません。
つまり、リスクオン、リスクオフに関わらず、ユーロは売られる展開になっています。
■「ユーロキャリートトレード」はトレンドとして定着するのか?
また、市場参加者のFRB(米連邦準備制度理事会)に対する「QE3(量的緩和策第3弾)」の期待は根強く、ユーロ売りの対象通貨として、米ドルよりもコモディティ通貨が選択される傾向にあります。
その結果として、ユーロオージーやユーロキウイの取引が好まれる傾向にあるようです。昨年11月頃から見られるこのような相場の変化は、2012年に入ると、誰の目にも明らかになってきました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
この「ユーロキャリートトレード」ともいうべき流れがトレンドとして定着するのかどうかが、2012年の為替相場の注目点です。そして、そのカギは1月12日(木)のECB理事会後、ドラギ総裁が発するコメントが握っていると言えます。
ドラギ総裁の会見では、国債買い入れに対するECBのスタンスに変化があるかどうかに注目しましょう。
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