ザイFX! - 初心者必見のFX総合情報サイト

西原スーパーバナー
----年--月--日(-)日本時間--時--分--秒
西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

資源国通貨高・避難通貨安の展開へ。
豪ドル/円は中期的に90円へ向けて上昇か

2012年02月09日(木)16:40公開 (2012年02月09日(木)16:40更新)
西原宏一

【GMOクリック証券】圧倒的人気で100万口座達成!最短即日で取引可能!

 みなさん、こんにちは。

 為替市場では、依然として、ギリシャに対する第2次支援の動向にマーケットの関心が集まっています。そのため、ユーロ/米ドルは方向感の定まらない展開が続いています。

RBAの「利下げなし」で、豪ドルが急騰した

 ユーロ圏の混乱を横目に、資源国通貨である豪ドルやNZドルの上値拡大が続いています。

 2月7日(火)に行われたRBA(豪州中央銀行)の金融政策決定会合では、マーケットの思惑とは裏腹に、利下げは行われませんでした。

前回のコラムでご紹介したように、仮に25bp(0.25%)の利下げが行われたとしても、すでにマーケットに織り込まれていたため、この「利下げなし」という発表はかなりサプライズです「中央銀行も豪ドルに資金をシフトしている!豪ドルの動向と日本・スイスの介入が焦点」を参照)

 この発表を受け、豪ドル/米ドルは1.0847ドル、豪ドル/円は83.63円まで急騰しました。

 その後はやや反落したものの、現執筆時点でも、豪ドル/米ドルは1.0780ドル、豪ドル/円は83.20円で、RBAの政策金利発表前の水準よりも豪ドル高で推移しています。

豪ドル/米ドル 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 4時間足

豪ドル/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 4時間足

 豪ドルは短期筋のポジションがたまってきているため、多少の調整局面はあるでしょう。

 ただ、トレンドは変わらずで、豪ドル/米ドルは1.1000ドル、豪ドル/円は84.00円に向けて上昇中です

欧米勢の米ドル/円に対する目線が徐々に上がってきた

 さて、資源国通貨やユーロクロスが脚光を浴びる中で、ボラティリティ(変動幅)の低下により、トレーディング通貨として話題に上がらなくなったのが米ドル/円です。

 しかし、最近は欧米勢の注目を集め始めています

 その背景にあるのが、まずは日本の貿易収支の変化でしょう。

 2012年1月の貿易収支は赤字額が拡大し、単月として史上最大の赤字になるという予測も出ています。これを受けて、海外短期筋の「円売り意欲」が活発化しているのです。

 さらに、安住財務大臣の「覆面介入」についてのコメントも加わって、欧米勢の米ドル/円に対する目線は徐々に上がってきています

 ただ、他の通貨を見ると、今月のFOMC(米連邦公開市場委員会)以降、対資源国通貨を中心に広範に米ドル安が進んでいます。よって、米ドル/円の急騰は考えにくい状況です。

米ドル/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

米ドル/円は下値を固めながら、ジリジリと79円に向かって上昇する展開ではないでしょうか?

スイスフラン相場の安定も円安見通しにつながっている

 また、円と同じく避難通貨であるスイスフランが安定していることも、海外勢の円安見通しにつながっています。

 SNB(スイス中央銀行)のヒルデブラント前総裁の辞任により、一時はスイスフランの買い戻しが活発化し、ユーロ/スイスフランはフローの下限である1.2000フランに接近しました。

 しかし、ジョーダン総裁代行が2月7日(火)に、「ユーロ/スイスフランの下限として、1.20フランを死守する」と発言したことから、1.21フラン台前半まで反発しています

ユーロ/スイスフラン 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 4時間足

 もし、ユーロ/スイスフランが1.2000フランを割り込んで、スイスフランが急騰するような状況になれば、同じ避難通貨の円に対する買い圧力も高まったでしょう。

 ところが、SNBの姿勢が変わらなかったために、スイスフラン相場は安定しています。ユーロ/スイスフランは再び値を上げ、1.22フランへと上昇中です。

スイスフランも、日本円も、中央銀行の通貨高抑制策の効果もあって、徐々に値を下げていく展開が濃厚と思われます。

中期的には、豪ドル/円は90円に向けて上昇する展開か

 結果として、ある意味では、多くの主要国で「通貨安政策」が取られていることになります。そのような中で消去法で選ばれるのは、やはり、インフレ懸念の残る資源国通貨の豪ドル、NZドル、加ドルでしょう。

 米ドル/円の下値が徐々に限定的になっている状況の中では、豪ドル/米ドルよりも豪ドル/円の上値余地がさらに拡大しています。

 また、ヘッジファンドは、豪ドル/スイスフランといった通貨ペアにも注目しています

豪ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足

 前述のように、目先の豪ドル/円の上値メドは84円です。

 ただ、中期的に見れば、90円に向けて上昇するのではないでしょうか?


【ザイFX!編集部からのお知らせ】

 ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)です。

西原宏一投資戦略メルマガ「トレード戦略指令!」

「トレード戦略指令!」10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。

人気のザイFX!限定タイアップキャンペーンをPickUp!
FX初心者のための基礎知識入門
トルコリラスワップポイントランキング FXスプレッド比較 スワップポイント比較
トルコリラスワップポイントランキング FXスプレッド比較 スワップポイント比較
『羊飼いのFXブログ』はこちら
↑ページの先頭へ戻る
CFD口座おすすめ比較