ただ、他の通貨を見ると、今月のFOMC(米連邦公開市場委員会)以降、対資源国通貨を中心に広範に米ドル安が進んでいます。よって、米ドル/円の急騰は考えにくい状況です。
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米ドル/円は下値を固めながら、ジリジリと79円に向かって上昇する展開ではないでしょうか?
■スイスフラン相場の安定も円安見通しにつながっている
また、円と同じく避難通貨であるスイスフランが安定していることも、海外勢の円安見通しにつながっています。
SNB(スイス中央銀行)のヒルデブラント前総裁の辞任により、一時はスイスフランの買い戻しが活発化し、ユーロ/スイスフランはフローの下限である1.2000フランに接近しました。
しかし、ジョーダン総裁代行が2月7日(火)に、「ユーロ/スイスフランの下限として、1.20フランを死守する」と発言したことから、1.21フラン台前半まで反発しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 4時間足)
もし、ユーロ/スイスフランが1.2000フランを割り込んで、スイスフランが急騰するような状況になれば、同じ避難通貨の円に対する買い圧力も高まったでしょう。
ところが、SNBの姿勢が変わらなかったために、スイスフラン相場は安定しています。ユーロ/スイスフランは再び値を上げ、1.22フランへと上昇中です。
スイスフランも、日本円も、中央銀行の通貨高抑制策の効果もあって、徐々に値を下げていく展開が濃厚と思われます。
■中期的には、豪ドル/円は90円に向けて上昇する展開か
結果として、ある意味では、多くの主要国で「通貨安政策」が取られていることになります。そのような中で消去法で選ばれるのは、やはり、インフレ懸念の残る資源国通貨の豪ドル、NZドル、加ドルでしょう。
米ドル/円の下値が徐々に限定的になっている状況の中では、豪ドル/米ドルよりも豪ドル/円の上値余地がさらに拡大しています。
また、ヘッジファンドは、豪ドル/スイスフランといった通貨ペアにも注目しています。
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前述のように、目先の豪ドル/円の上値メドは84円です。
ただ、中期的に見れば、90円に向けて上昇するのではないでしょうか?
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