米ドル/円は3月30日現在、これまでの上昇に対する下落調整を形成する展開となっています。トレーダーとして気になるのは、米ドル/円が2月からスタートした上昇を再び継続するのか、それとも直近の下落調整を続ける展開になるのか、という点です。
■ポイントは“トレードチャンス”の見極め方!
FXトレードで利益を上げていくためには、トレードチャンスを見極めてトレードを行う必要があり、それはいついかなる時にも求められるものです。
トレードチャンスとは、それぞれのトレーダーが採用するトレード戦略ごとに異なりますので、一概に「この瞬間」と断定することはできません。逆に言えば、自分の戦略が決まっていなければ、トレードチャンスも決まらないことになり、戦略を決めることなく、トレードチャンスを探すことはできないのです。
ここでは直近の米ドル/円の値動きの中で確認される、いくつかのトレードチャンスを振り返り、戦略の決定や今後のトレードチャンスを探すヒントを提供します。
■米ドル/円のトレンドはいつ転換したのか?
米ドル/円はご存じのとおり、2011年後半まで、「リスク時の円買い」や「超円高」と呼ばれるような円高・米ドル安の値動きを続けていました。つまり、米ドル/円の下落トレンドが続いていたのです。
トレードの手法には2種類あり、トレンドが発生した際にトレンドと同じ方向にトレードを行うことを「順張り(トレンドフォロー)」と呼び、トレンドに逆らうトレードを「逆張り」と呼びます。そして、それぞれは独自の優位性を持っています。
米ドル/円においては、2011年10月31日に安値をつけた後、政府・日銀による円売り介入が行われ、同日の最安値が直近の安値となって、その後安値切り上げを見せましたので、10月31日の安値を境にトレンドが転換し、この安値付近で逆張りのトレードチャンスが存在したことになります。
■アップトレンドへの転換点はココだった!
ダウントレンドからアップトレンドへ転換する際のポイントとしては、最初に安値の切り上げが完成したところ、その後高値の切り上げが完成したところが挙げられます。そして、そのような中で徐々にトレンド転換が想定されていくのです。
今回の値動きの中で、安値切り上げ、高値切り上げを確認すると、下図1や2のようなポイントがトレードチャンスとなります。
(チャート出所:インベストメントテクノロジーズ「Egde Trader」)
上図2では、直近高値切り上げが確認でき、この時点でトレンド転換が徐々に想定され、さらに強い節目である10月31日の高値を切り上げた時点で、いったんこのトレンド転換が鮮明になります(下図3)。
(チャート出所:インベストメントテクノロジーズ「Egde Trader」)
図3の高値切り上げ確認以降、アップトレンドが形成されていると考えていきますので、上昇が継続するポイントが、順張り(トレンドフォロー)のトレードチャンスとなっていきます。それは下図4や5のようなポイントです。
(チャート出所:インベストメントテクノロジーズ「Egde Trader」)
■トレードチャンスは戦略ごとに明確!
図1~5で見たポイントでは、いずれも安値切り上げや高値切り上げが確認され、何らかのトレードチャンスとなります。これらの図のポイントからもわかるように、トレードチャンスとは戦略ごとに明確なポイントであり、それは感覚的に導き出されるものではありません。
ここまで紹介したポイントは、あくまでも単純な例であり、実際のトレードにおいては、さらに詳細に環境認識を行った上で、トレードポイントを選んでいきます。また他の戦略や戦術を用いれば、これらとはまったく異なったトレードチャンスを見出すこともできます。
■自分のトレードチャンスを見極め、曖昧トレードを卒業!
トレードにおいて大切なことは、トレードチャンスとは明確に決められるものということです。それはいつでも現れるものではなく、ある環境下や確率下のみに現れますので、事前に自分にとってのトレードチャンスを理解し、その出現を待つ必要があるのです。
多くの個人投資家は、自分にとってのトレードチャンスを理解していないため、毎日悩み、そしてチャンスかどうかわからない曖昧なポイントでトレードを開始し、損失を重ねてしまうのです。
トレードで継続的に利益を上げていくために必要なことの1つに、「無駄なトレードを止める」というものがあります。無駄なトレードを止めるためには、自分にとってのチャンスをしっかりと理解する必要がありますので、まずは自分のトレード戦略を決め、トレードチャンスを探しましょう。
米ドル/円の次なるトレードチャンスは、2月からのアップトレンドに戻るポイントでしょうか、それとも直近の下落調整が続くポイントでしょうか。
上述のとおり、自分にとってのトレードチャンスをしっかりと理解し、継続的に利益を上げられるトレードスタイルを目指しましょう。
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