パウエルFRB議長がFOMC後、12月の利下げを「既定路線」と呼ぶには程遠いと発言
みなさん、こんにちは。
日本時間10月30日(木)未明に開催された注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)は、コンセンサスどおり、2会合連続で0.25ポイントの利下げを決定しました。
興味深いのは、政策スタンスの両極に位置するFRB(米連邦準備制度理事会)当局者2人が今回の決定に反対した点です。
マイランFRB理事は再び0.50%の利下げを主張する一方、カンザスシティ連銀のシュミッド総裁は据え置きを主張しました。
さらに、パウエルFRB議長は、12月の利下げを「既定路線」と呼ぶには程遠いと発言し、強い見解の対立があったことにも言及しています。

パウエルFRB議長は、12月の利下げを「既定路線」と呼ぶには程遠いと発言し、強い見解の対立があったことにも言及 (C)Bloomberg/Getty Images News
FOMCの発表前、金利先物市場では12月の利下げを一時は100%織り込んでいましたが、FOMC後、本稿執筆時点では約67%まで低下しています。
12月の利下げ観測の後退で、米ドル/円は152円台後半まで反発。S&P500は5営業日ぶりに反落しました。
一方で、NVIDIAは世界で初めて時価総額5兆ドルを突破しました。1社で5兆ドルを超えるのは桁外れで、実感が追いつかない規模です。日本のGDPを1社で大きく上回っています。さらに驚異的なのはその成長スピードです。約4カ月前に4兆ドルを超えたばかりでしたが、あっという間に5兆ドルに到達しました。
AI関連の躍進はバブルではなく、まだ続くというスタンスの筆者も、NVIDIAの時価総額の急騰を見るとバブルの懸念を感じさせられます。今後もAI関連の報道には注目ですね。
日米首脳会談を成功裏に終わらせた意外な人物は? 日銀の利上げ観測での反落を活用し、米ドル/円、ユーロ/円を押し目買い
今月(10月)、金融市場でフォーカスされていたのが「高市トレード」です。
高市トレードで今週(10月27日~)の注目は日米首脳会談。報道を見る限り、日米両首脳の関係は親密で、初会談としては上々の滑り出しとなったと見ています。
両首脳は、強い愛国心や保守的な価値観で通じる部分が多く、共通の話題も豊富だったはずです。また、両者とも安倍元総理を尊敬している点も、関係構築を後押ししたと考えます。
具体的には、高市総理が対GDP比2%への防衛費増額を前倒しで進める意向を示していることなどが挙げられます。
これらは今後本格的に具体化していくテーマですが、初の首脳会談としては成功と言ってよいのではないでしょうか?
そして、この日米首脳会談を成功裏に終わらせるために貢献した意外な人物がいます。
それは大谷翔平選手であるとFT(Financial Times)が取り上げています。
大谷翔平選手も今や日米同盟の要の一つ
今や日米双方で崇拝される大谷選手が日米同盟の問題解決への一助とさえなるかもしれないとの見方もある=ロイター。天皇陛下が27日夜にトランプ氏と会見した時、大谷選手が話題になった。トランプ氏が翌朝、高市氏と会った時には、大谷選手が出場しているワールドシリーズの中継を数分間観戦するため、2人は凝った装飾の椅子に並んで腰を下ろした。28日は終日、ドジャースとトロント・ブルージェイズの試合が18回の延長戦にもつれこむなか、大谷選手が放ったホームラン2本が、東京にいるどの閣僚、政府高官、企業経営者にとっても手軽に持ち出せる格好の話題となった。
(出所:FT)
FTが指摘するように「大谷選手が放ったホームラン2本が、東京にいるどの閣僚、政府高官、企業経営者にとっても手軽に持ち出せる格好の話題」となり、日米関係に影響を与えていることには驚かされます。
一方で、金利関係者が注目しているのがベッセント米財務長官の発言です。
下記の財務省関連の会談報道を受け、米ドル/円は一時151円台半ばまで円高が進行しました。
米財務省がベッセント、片山両氏の会談についての声明を発表。
ベッセント氏はまた、「アベノミクス導入から12年が経過し、経済環境が大きく異なる中で、健全な金融政策の策定とコミュニケーションが、インフレ期待を安定させ、過度な為替変動を防ぐ上で重要な役割を果たす」と強調。
(出所:Bloomberg)
ベッセント財務長官のコメントは従来のスタンスと大きく変わりません。「日銀が金融政策を正常化すれば、自然と円高に回帰する」という趣旨です。
そこで注目は、日銀会合(日銀金融政策決定会合)です。本日予定されている日銀会合は、コンセンサスどおり、据え置きが決定されました。
焦点は12月利上げの可能性です。植田総裁の記者会見で、12月や来年1月の利上げにどの程度含みを持たせるかに注目しています。12月の利上げ観測が高まれば、一時的に円高に振れる局面があると想定しています。
多くのヘッジファンドは、「高市トレードのポジション=米ドル/円・ユーロ/円のロング」を、日米首脳会談あたりをめどにいったん「材料出尽くしの売り(sell the facts)」と判断し、利益確定して減らしています。
彼らは、調整での押し目で米ドル/円かユーロ/円のロングを再構築するチャンスをうかがっています。
日銀の12月利上げ観測が高まれば、一時的に円高が進み、円ショートを再び積む方向になると想定しています。
ともあれ、日米首脳会談は成功裏に終わり、株高・円安トレンドは不変と見ています。丁寧に押しを拾いたいところです。

(出所:TradingView)
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