今週2度目のコラムになります。2~3日しか経っていませんので、状況は基本的には変わっていません。
株価も徐々に崩れて、為替市場でも豪ドル/円やユーロ/円を中心に円高傾向が緩やかに進んでいます。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 1時間足)
原因は、前回お話したように米国経済がまたおかしくなってきたこと、ギリシャとフランスの選挙で欧州の状況が非常に不透明になってきたこと、それと中国などの新興国の景気が少し弱くなってきていることです。
【参考記事】
●仏大統領選、ギリシャ総選挙を受けてユーロが急落! 今後の相場展開は?(今井雅人、5月8日)
■豪州の0.5%利下げはやや驚きだった
先日、RBA(豪州準備銀行、豪州の中央銀行)が政策金利を0.5%一気に引き下げましたが、これは正直やや驚きでした。
しかし、よくよく考えてみると、豪州は資源国なので世界経済の動向に大きく影響を受けるわけで、世界経済が不安定になってきているから先んじて一気に0.5%の引き下げをして、準備をしたということだと思います。
この大幅な利下げや、原油価格が下落していることを受けて、豪ドルも下落しています。
■豪ドル/円は77円あたりまで下がってもおかしくない
ここからですが、チャートを見てみますと、米ドル/円は、8円上がって4円下がってといういわゆる半値戻しの状態にあります。
そして以前、78円前後でもみ合っていたことが多いことや、現在もIMMのポジションが米ドル/円ロングの状態になっていることからしても、もう少し下がる可能性があるのではないかと思います。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
豪ドル/円は一応、上がり始めた79~80円のゾーンまで下がってきているので、いったん落ち着いているということだと思いますが、世界経済がさらに弱くなれば、77円あたりまでは下がってもおかしくない状態にあるように見えます。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
■ユーロはギリシャ政局次第だが上がるイメージはあまりない
ユーロ/円は、今後ギリシャの政局がどうなっていくかで大きく変わってきます。
ここまでは、連立協議がうまくいっていませんので、このままいくと再選挙という事態に陥ってしまいそうな感じです。そうなると、また選挙の結果を待たなければならなくなり、市場も不安定になってきます。
ただ、本当にEU(欧州連合)やIMF(国際通貨基金)からの支援が反故(ほご)にされるという事態にまで発展しなければ、下落のスピードもゆっくりとしたものになってくると思います。
逆に上がっていくというシナリオは今のところ描きづらいというのが正直なところです。
ユーロ絡みの通貨ペアでも、特にユーロ/米ドルはレンジを下抜けしてしまっていますので、反転する可能性は低いのではないかと思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
ユーロ/米ドル、米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)とも戻り売りを中心に考えておきたいと思います。
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