昨日のアジア時間では、ややリスクテークが進んだ。中国のPMIが改善されていたこともその要因のひとつだろう。休み明けのニューヨーク市場で株価が安値突っ込みをした後だっただけに、安いところからの日本株の切り返しの様子だけでも十分にリスクオンとなっているのがわかる。
ドル円も朝の始まりからジリジリとではあるが、ひたすら上がってきて、再び80円台に乗せてきた。こうなってくると後は欧州市場の反応がトレンドフォローとなるのかが問題となってくる。ドル円は先週には80.38まで上がっている。この辺は重そうであるが、ここを触りにいけるかどうか。またはブレークした際には走るのかどうか。
欧州時間はそうした思惑からも、ユーロなども堅調に始まるのかと思われたが、安値攻めでスタートした。欧州序盤のユーロの下押しは私にとっても意外だった。そもそも戻ったところでユーロドルを売ってみようと思っていた私にとっては拍子抜け。1.2925あたりで2回ほど止められたようだが、1.28台まで突っ込むような勢いはなし。
やはり横でグローベックスでの米国株が反発し出したので、リスク回避だけで攻め続けるわけにもいかなくなったようだ。ユーロ円は103.80だった。10分足などで見ると、ユーロ円は急激に上がっているようにも見えるのだが、でも値幅はたいしたことはない。
そしていよいよアメリカの経済指標の時間帯となった。ADPや失業保険など、雇用関連の指標が並んでいるので、翌日に雇用統計を控えた市場としては、気になるところだ。別ものなのはわかるが、出てきた結果に従った動きは、翌日の雇用統計の発表の直前まで続くものと思われる。1日の間も続くことになるのだから、重要極まりない。
結果はどちらも予想よりも良かった。ドル円は狭いレンジだったが、ともかくもユーロ円は上がった。グローベックスでの米国株も上がってきたので、いよいよリスクテークになってしまうのか。ドル円は80円台乗せからは買っていきたくはないなあ。どうも80.20とか80.30とか80.40には壁があるように見えて仕方がない。そういうわけでユーロ円を少しつまんでみた。とりあえず103.50でロスカット注文を入れておいて様子を見る。
米国株も大幅高で始まり、リスクオンのほうにベットしている私にとってはありがたい。ユーロ円は104円台乗せをトライしているのだが、翌日の雇用統計を期待しての動きがこのまま続いてくれるのであれば、105円台までも望めるかもしれない。できれば何事もなく、雇用統計まで持っていたいポジションである。センチメント系の指標が出たが、ISMの製造業は予想よりも良くて、消費者信頼感のほうは悪かった。
経済指標はマチマチのはずなのに、マーケットはリスクテークの方向で反応した。それだけニューヨークの休みを通じてリスク回避のポジションが積っていたのだろう。ショートカバー主体だとは思うが、株価もユーロもまったく下がらない。ユーロ円は104円ちょうどの目前まで来た。
しかしいきなりのユーロ売りに出くわした。ユーロドルも1.29台の後半から一気に50ポイント以上も下落。ユーロ円もしかりだ。ギリシャの裁判所で、EUなどからの要請である年金カットや退職勧奨は違憲の可能性があるというのだ。国内でそんなことを言い出したら、1年ほど前にあったギリシャ首相の「国民投票」騒ぎを思い起こすようなものだ。一時的に欧州の信用不安が高まった格好。
私はストップ注文だけをそのままにしておいて、翌日まで持ち越した。そして雇用統計までユーロ円をキープするつもりもあったが、今日のアジア時間ではいかにもユーロが重かった。昨晩のギリシャのことも気になるし、シビレを切らして、ランチタイム過ぎに103.71で売ってしまった。
いよいよ今晩は雇用統計だ。就業者数は12万人から13万人の増加がコンセンサスとなっているが、今回の興味は大統領選を直前にひかえて、失業率のほうだろう。前回は大きく改善して7.8%となった。それが本当なのかと疑う声さえ出てくる始末だった。今回の予想は7.9%となっているが、それでもかなり良い数字といわざるをえない。
失業率が8.0%台に乗せてくるようだと、激しいリスクオフとなりそうだ。仮に良い方に出て、7.7%とかが出て来ても、これだけ就業者数が伸び悩んでいる状態の中のことなので、再び疑念を持たせるだけに終わってしまいそうだ。今度は指標が出てからの参戦にするつもり。
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