(「ひろぴーのスイングトレード講座(2) トレードの土台となる3つの要素とは?」からつづく)
みなさん、こんにちは、葉那子です。
さて、引き続き兼業トレーダー、ひろぴーさんのトレードスタイルをご紹介していきます。
【参考記事】
●ひろぴーのスイングトレード講座(1) 27歳の兼業トレーダーが勝てる理由
●ひろぴーのスイングトレード講座(2) トレードの土台となる3つの要素とは?
前回の記事では、ひろぴーさんのトレードの土台となる、資金管理、損切り、ポジションの片寄りについてご紹介しました。
その日の方法を決めてエントリータイミングを計る
まずは、ポジションの片寄りなどからヘッジファンドの動きを予測し、その日のエントリー方向を決めます。
方向が決まった後は、テクニカル分析を使い、どの水準でエントリーするかという細かい分析が始まります。
ひろぴーさんが普段見ているチャートがこちら!
テクニカルインディケーターは以下のとおりです。
・ボリンジャーバンドの±2、3σ
・一目均衡表の遅行線
・単純移動平均線(SMA):5、25、75、200、800
・指数平滑移動平均線(EMA):20、62
・RCI:7、9、35、52
この他、ディナポリのシングルペネトレーションというチャートパターンや、デマークのTDシーケンシャルとTDコンボ、さらにはエリオット波動まで駆使するというテクニカルマニア。
「テクニカルは、めちゃくちゃ手法を持っているので、日々どんどん改良しているんですが、RCIを基準に、エリオット波動のまずはC波を探します。
で、いい形は全部写真で撮ってるんですけど…」
と言って見せてくださったチャートが、2013年3月15日の加ドル/円4時間足です。
これは下落のサインとして、とてもいい形になっていると説明してくださいました。
(1) RCIの35と52が±80以上(以下)でべったり!と貼り付くこと。(「べったり」の定義がまだ曖昧とのこと)
(2) 35が±80ラインを抜け出しつつ、7と9が±80線にタッチして反転すること(この時52はまだ±80に停滞していることが条件)。
(3) 7が9をゴールデン(デット)クロスしたらエントリー。
「クロスの時ってダマシも多いですけれども、この時のパターンに限っては、非常にダマシが少ないんです。
この形は出現したらエントリーすることが多いです。
唯一、この形ができたら単独のみでもトライすることも多々あり、かなり勝率が高いです。
ただし、一点だけ例外があります」
【RCIに関する参考記事】
●月100万円儲ける鳥居万友美さんに聞く(2) RCIの二重底、三重底を見逃すな!
エリオット波動はC波だけを狙う!
「エリオット波動の3波中はで逆張りになる場合は手出し無用です。これだけはこの形が途中で出ても、またはRCIがダブルトップ、ダブルボトムの形を形成しても流れと逆方向ですと、失敗します」
エリオット波動もひろぴーさんが重要視しているテクニカル分析の1つです。
「ぼくのエリオット波動のカウントは、全部5波まで終わって、A波、B波の後のC波だけを基本的に狙います。
C波がスタートするであるろうと仮定したポイントで初めて、それまで上昇していたのはエリオット波動の1、2、3、4、5の推進波だったんだなっていうのを確認するんですよ」
【エリオット波動に関する参考記事】
●【09年予想】宮田直彦さんに聞く(2) ~ エリオット波動の5波にあるドル/円~
「エリオット波動を使う方の中で、3波はいいとして、2、4、5波とかを狙っているのですが、はっきり言ってそこはあまり勝てないです。
推進波は当てにいくものではなく、調整波のC波を探すために推進波があると思っているんです」
エリオット波動のC波を狙ってトレードをされたという、2013年3月1日(金)の加ドル/円4時間足のチャートがこちら。
「これは逆のエリオット波動です。
(1)~(5)の推進波のあと、調整波に入ったと思われ、(a)までちょっと反発したあと、(b)まで下がったところの89円台で(c)波を狙ってロングポジションを取ったら、その後、びよんって上がりました。
雇用統計の日だったんですが、もう自信ありありだったんで、お酒飲んで酔っ払ってました(笑)」
実は、その飲み会の席には当連載のカメラマンさんも同席していたそうです!
保有中のポジショントークもしていたそうで、カメラマンさんは「この人はスゴイ!」と思ったと言っていました(笑)。
テクニカルのエントリーポイントが重なれば勝率は上がる
というのは余談ですが、このエリオット波動のC波の始まりは、ちょうどRCIも先ほどご紹介したダマシの少ない鉄板パターンの形状になっています。
複数のテクニカル分析でエントリーポイントが重なれば、それだけ勝率が上がるとひろぴーさんはおっしゃっていました。
「基本のエントリーポイントが何個も何個も重なるポイント。
なるべく条件が重なるところ、世界中のトレーダーが見てるポイントが重なる場所に絞っていくんです」
そして、RCIを使ったひろぴーさんの勝ちパターンがもう1つあります。
それが、RCIのダブルトップ・ダブルボトムです。
RCIの9が天井圏・底値圏に到達した後に反転し、0を越えないあたりで再び天井圏・底値圏へ切り返すという動きになります。
そしてもう1つ、ディナポリのシングルペネトレーションというパターンもひろぴーさんが参考にしているテクニカル分析の1つです。
シングルペネトレーションの詳しい説明については、2012年のFX友の会でディナポリを題材に、専業トレーダーおばらっちさんが講師を務めたセミナーをご紹介したザイFX!の記事をご覧ください。
【シングルペネトレーションに関する参考記事】
●ウワサの「FX友の会」潜入レポート(1) 「天の恵み」というほど高勝率の手法とは?
取材時に見せてくださったのは、英ポンド/米ドル週足のキレイなシングルペネトレーション。
DMA3に沿って8本以上の下降スラストがあった後、DMA3を上抜け、スラストの高値と安値を結んだフィボナッチの38.2%戻しで頭を抑えられています。
さらに、日足のRCIのダブルトップとEMA62がレジスタンスという複数の条件が重なっているポイントでもあります。
ただし、後からチャートを見てみると、残念ながら38.2%のラインを上に抜けていってしまい、このシングルペネトレーションは失敗となりました。
相場に絶対はありませんので、これはしかたありませんね。
とにかく、ひろぴーさんにとって、3つ以上のテクニカルポイントが重なったところは、絶好のエントリーポイントというわけです。
3つ以上のテクニカルポイントの重なりは絶好のチャンス!
1つ、2つのテクニカル分析をとことん極めるというトレーダーの方もいると思うのですが、ひろぴーさんは、いろんなテクニカル分析を駆使して、より多くのシグナルが重なるところを探していくというスタイル。
そして驚くべきは、ひろぴーさんがトレード対象としている通貨ペアの数です。
米ドル/円、ユーロ/米ドルといった主要通貨ペアから、ユーロ/NZドルや豪ドル/スイスフランといった、日本の個人投資家ではなかなかトレードする人が少なそうなマイナー通貨ペアまで全部で24通貨ペア!
ウォッチするのはなんと24通貨ペア!
「基本的に1回の取引で100とか200pipsを取りにいくので、スプレッドをあまり気にしてないんですよ。
テクニカル的にチャンスが来れば、じゃんじゃんトライしていきます」
専業トレーダーではなく平日は会社員として働きながら、これだけ多くの通貨ペアをチェックしているというのがスゴイですよね。
「朝起きて30分くらいでばっと24通貨ペア見るんですよ。毎日見ているので、大体イメージは入っています。
明日やること、来週やること、狙っている通貨は決まっていて、チャートが想定した形どおりになったかなって、朝楽しみに起きるんですよ。
そこから、夕方の何時から何時の間にここに戻ってたらエントリーするっていうのを、全部頭で組み立てます。
シミュレーションができているのでいつ動くかが分かる!
たとえば今日の夕方、欧州が動く頃に押し目が来るんじゃないのかと思っていたら、欧州が動く午後3時くらいに見なきゃいけないなっていうのを何となくイメージして、昼休憩とか、仕事の合間くらいにちらっと携帯を見て確認します。
置いておいたポジションのリミットがずれてないかとか、ちゃんとポジション取れるかなっていうので、ちょこっと調整した後はもうほったらかしです」
チャートに長時間張り付くことができない兼業トレーダーならではのトレードスタイルですね。
さて、今ではご自身のトレードをしっかりと確立されているひろぴーさんですが、実は現在、とある主婦トレーダーとタッグを組んでトレードをしているというのです。
次回は、その方とどのようなトレードをされているかをご紹介したいと思います。
(「ひろぴーのスイングトレード講座(4) 主婦トレーダーとのタッグで勝率アップ!?」へつづく)
【葉那子のトレード報告 2013年5月6日(月)~5月10日(金)】
1勝4敗
勝ちトレード:英ポンド/米ドル +102.3pips(1013円)
負けトレード:NZドル/円 -38.1pips(762円)、NZドル/米ドル -70.3pips(695円)、-79.2pips(662円)、豪ドル/米ドル -25.3pips(250円)
合計収支:-1372円
口座残高:8万9558円
先週は英ポンド/米ドルで100pips以上取ったのですが、オセアニア通貨ペアで損切りが続いて、結局はマイナスになり、資金も9万円を切ってしまいました。
NZドル/米ドルのマイナスが大きい理由は、ストップを入れ忘れていたのが原因です。
これはかなり反省トレード。
今週はプラスになるように、しっかりストップを入れてトレードしたいと思います。
(取材・文/葉那子 撮影/和田佳久)
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