昨日のアジア時間でのドル円は99円台の後半。アメリカが休みなので、このまま海外市場では動かないものと予想された。経済イベントといっても、イギリスとECBの金利会合があるだけ。どうせ金融政策に変更があるわけでもないし、しかるに為替相場も動かないだろうと思われた。
実際に先月末からはドルの全面高の流れが鮮明になってきており、ユーロドルもドル円もドルの高値圏に位置している。そこからさらにドル買いを誘発させるには、新規の材料が必要となるだろう。それには雇用統計が控えているので、市場の目はそちらに向かっていったのも無理からぬことだ。
私ももう雇用統計までは何もしないモードに入っていた。形式的に金利会合の結果は見る。ドラギ総裁の会見で本日の相場も終わりだろうと思っていたのだが、BOEの結果が出るとポンドが急落。ポンドドルは久しぶりの1.50台まで沈んで、ユーロポンドは100ポイント以上も急騰している。これは想定外の動きであった。
利下げでもしたのかな?BOEが声明の中で、利上げ期待を打ち消すようなことを指摘したようだ。当面は現行の緩和状態を続けるということなので、金融政策それ自体には変更はない。そんなにしつこく利下げ打ち止め感があったのかと不思議に思うくらいの反応だ。しかしユーロドルはほとんど動いていない。やはりポンドの動きは特殊だと考えて、次のECBのアクションで判断するしかなさそうだ。
ECBの結果は予想通りでアンチェンジ。後はドラギ総裁の会見だけだ。緩和縮小で荒れたマーケットだっただけに、金融当局者がユーロ金利先高観をあおるようなことを言うはずもない。どうせ「緩和を維持」という話だけだろうと思われた。ユーロドルはあんまり動いていないが、1.3000の大台を割り込んだりして、やや直前のポンドと同じようにユーロにも売り圧力がかかっている。
21時半から始まったドラギ総裁の会見では、ほとんどが想定内のものであったが、フォワードガイダンスという別の尺度を持ち出してきた。それがまだ下向きバイアスだから、当面の間は何もしないか、やるとしたら利下げであるとしたもの。これがユーロ金利の先安観を醸したようだ。ユーロドルは10分で100ポイントの急落となって、一気に1.28台まで突っ込んだ!
私は米国も独立記念でお休みだし、何もやらないつもりだったが、1.2950より下まで走ったとあってはユーロを売り込みたくなる。何度か売ってはみたが、すぐに10ポイントも取れれば買い戻す。1.28台から1.29台に戻した後は動きが鈍くなってきたので、ショート参戦はやめた。
ECBとしては目下のところ、ポルトガルの問題もあるし、またギリシャやキプロスの問題も片付いていない。広域連合の常として、いつも悪い方に目を向けていなければならないので、そう簡単にはタイトニングには向かえないということを強力なメッセージとして発したかったのだろう。
さて今夜は雇用統計。先日のADP民間調査が良かったことで、だいぶ楽観論が優位を保っているようだ。就業者数が15万人から18万人の増加ならば、ほぼ予想通りということで、休み明けの米国市場は動きづらいだろう。20万人を越えてくれば緩和縮小が現実味を帯びてきて、ドル金利は上昇。
昨日のユーロの腰折れも手伝って、ユーロドルが1.27台くらいまで沈んでしまうかもしれない。そのときにはドル円も101円台まで買い戻しを巻き込んで急上昇するかもしれない。反対に15万人を下回ってくると、リスク回避の動きは避けられない。ドル円は再び99円台に突入し、ロングで今週たまった分の投げ売りを誘うであろう。注目の雇用統計である。
日本時間 17時30分
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