■スティーブンスRBA総裁のコメントで豪ドル急落!
みなさん、こんにちは。
前コラムでご紹介した豪ドル/米ドルは、続落しました。
【参考記事】
●米国株が1929年の大暴落時と似た動き!? 過熱した株と豪ドル/円の反落に警戒!(2013年10月24日、西原宏一)
下落のきっかけは、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])総裁のスティーブンス氏による下記のコメント。
「豪ドルはかなり高い確率で、将来のある時点において現在の水準から著しく下落すると思われる」
中央銀行総裁によるこのコメントで、豪ドル/米ドルは急落。
節目の0.9500ドルを割り込み、一時0.9441ドルまで下落しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 4時間足)
シドニーやメルボルンの住宅価格の高騰もあり、RBAの追加利下げの可能性はほぼ消滅したのですが、RBAにとって豪ドル/米ドルの0.95ドル以上は、容認しづらいエリアだという認識は変わらないようです。
これは、2013年5月のスティーブンス氏のコメント同様です。
【参考記事】
●豪州利下げで金利は史上最低の2.75%に。ジョージ・ソロスが豪ドル売りという報道も(2013年5月9日、西原宏一)
■連日続騰している米国株に警戒感が高まっている
先週(10月21日~)に引き続き、豪ドル/米ドルは今週(10月28日~)も続落していますが、豪ドル/円は93円台での保ち合いとなっています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 4時間足)
その要因は、連日続騰している米国株です。
ただ、その米国株にも高値警戒感が高まっています。
まず、10月31日(木)未明に発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)です。
FOMCでは、マーケットが想定していたほどハト派なコメントは出ませんでした。
加えて、ウォール・ストリート・ジャーナルのヒルセンラス氏が下記のコメントをしたことで、米国株の上値を抑える展開になりました。
<December Taper Not Off the Table>
Taken together, the Fed isn’t taking a December adjustment to the bond-buying program off the table. But that comes with the strong caveat that it depends on whether the economy is living up to its expectations. (出所:WALL STREET JOURNAL)
FEDは12月にもテーパリング(※)を開始する可能性をまったく排除したわけでもなさそうだ。しかし、それが現実に起きるには、FOMC理事たちが期待するほどの景気回復が確認できることが、前提となっている。
この記事は、2014年3月はおろか、6月のテーパリングを織り込みつつあったマーケットの期待をそぐ形となりました。
(※編集部注:「テーパリング」とは、米量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
■米国株の信用残高が過去最高水準に!
もう一つの懸念は、米国株の信用残高の拡大です。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の信用残高(MARGIN DEBT)が、過去最高水準まで積み上がってきています。

信用残高の積み上がりが大きいからといって、相場が即反落するというわけではありませんが、通常、数週間の間に反落する傾向があります。
米国株の下落は、リスクアセットの豪ドルに対してはマイナス要因。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
先週(10月21日~)、豪ドル/円の反落を前もって示唆していたデマーク(※)チャートも、カウントダウンを終了してS&P 500の調整を示唆しています。
11月は、多くのヘッジファンドの決算月でもあり、彼らからの利益確定による米国株の反落に警戒感が高まってきています。
11月は米国株の反落と、豪ドルの動向に注目です。
(※編集部注:「デマーク」とは、米テクニカルアナリストのトーマス・R・デマーク氏のこと)
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