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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

相場はそろそろ荒れるタイミング?
米ドル/円は105.34円と103.02円に注目!

2014年01月17日(金)17:22公開 (2014年01月17日(金)17:22更新)
陳満咲杜

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■米ドル/円は引き続きボラティリティーの拡大が予想される

前回のコラムでは、相場の急変に注意を促していたが、その後、日経平均も、米ドル/円も大きく下げた。さらに、両者ともに大きくリバウンドしてきたが、昨日(1月16日)から再び軟調に推移。目先、強弱感が入り交じっており、引き続きボラティリティーの拡大が予想される

【参考記事】
今はもう、すでにポスト・アベノミクス。相場の春吹雪を覚悟したほうが良い!(2014年1月10日、陳満咲杜)

米ドル/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

 もっとも、先週末(1月10日)の芳しくない米雇用統計や、その後リリースされた好調な米経済指標(小売売上高)や日本の経常赤字拡大といった材料によって、米ドル/円の上下動がもたらされ、それがあたかもサプライズのような解釈もよく聞こえてくるが、実情はやや違うかもしれない。

 ウォール街では、以下のコンセンサスが主流であると言われている。

 すなわち、12月雇用者数伸びの鈍化は、景気回復の中断ではなく、そもそも悪天候による偶発的な結果にすぎず、また小売売上高など米経済指標もそれほど良い内容ではなかったという認識である。

 また、日本サイドの経常赤字は、原油・天然ガスの輸入増に加え、大幅な円安が進行してきた結果として十分想定できたから、サプライズとは言いにくい。

■最近の相場変動はテクニカル要素主導の可能性大

 したがって、最近の相場の変動は、経済指標などファンダメンタルズの変化によってもたらされたのではなく、テクニカル要素主導でもたらされた可能性が大きいとみる。

 この見方を証左するように、昨日(1月16日)、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長が任期中最後の演説を行ったが、マーケットには何の影響も見られず、至って平穏な反応だった。

 相場は激しく上下(正しい表現は下上だった)しただけに、今は目先の均衡点を探っている最中で、材料には反応しにくいわけだ。このあたりも結局、テクニカル要素に帰着せざるを得ない。

 要するに、最近の相場の反乱はテクニカル要素主導によって作られた以上、株にしても、為替にしても、先週末(1月10日)までは買われすぎだったので、それに対する修正が見られたわけだ。そして、修正的な値動き自体も激しかったため、反動的なリバウンドも見られたわけだ。

■米ドル/円はブル・ベア、どちらのシナリオになるか?

 問題はこれからどう動くかにある。

 米ドル/円に関して、以下のようにブル(上昇)とベア(下落)、2つのシナリオを想定できる(チャートは1月15日に作成したもの)。

 両シナリオとも、戦後最安値から米ドル/円が大きく上昇し、大型上昇波における最終子波を、2013年10月安値96.56円から数えているのは共通している。

米ドル/円 日足 ブルシナリオ(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 上に示したブル(上昇)シナリオでは、2014年1月2日(木)高値を最終子波自体の第3子波のトップとみなし、1月13日(月)安値までの反落を、同第4調整波のボ トムとみなしているから、これから第5子波の展開で高値更新をめざすわけだ。

米ドル/円 日足 ベアシナリオ(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 対して、上に示したベア(下落)シナリオでは、1月2日(木)高値を第5子波のトップとみなし、同高値から本格的な下落変動をすでに展開している。そして、1月13日(月)安値からのリバウンドは、推進(下落)子波内の変動とみなし、これから高値更新はできず、安値更新をめざすというわけである。

 ブルシナリオの成立は、最低でも1月10日(金)高値105.34円のブレイクを前提条件とし、一方、ベアシナリオの成立は、少なくとも1月14日(火)安値103.02円の割り込みを前提条件としよう。目先ブレイク待ちの局面で、現実的な対応法は、ブレイク後の方向についていくしかないと思う。

■現時点ではベアシナリオの方が優勢か

 ただし、あえて言うなら、目先はなお、ベアシナリオの可能性に傾いているのではないかとみる。

 ブルシナリオのチャートとベアシナリオのチャートをもう1回見比べてほしい。

米ドル/円 日足 ブルシナリオ(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

米ドル/円 日足 ベアシナリオ(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 ブルシナリオでは、調整波2と調整波4、ともにジグザグ型調整パターンを示しているが、エリオット波動論の原則では調整波2と4の形態は、互いに異なるケースが多いとされる。

【エリオット波動論の参考記事】
宮田直彦氏に聞く(1) 為替相場は歴史的な大転換点を迎えている!

 つまり、調整波2が複雑だったなら、調整波4はシンプルになる公算が大きく、反対もまたしかりである。

 したがって、ブルシナリオで記している調整波2と4がまったく同じパターンを持つ構造は、どちらかというとあまりよくみられるケースではない。

 対照的に、ベアシナリオで記しているウェーブカウントは、調整波2のジグザグ変動に対して、調整波4はシンプルであるし、子波5と子波1の比率(≒1.236倍)も、同カウントが正しい可能性を示唆している。

 このような原則からみて、筆者は現時点では、なおベアシナリオに軍配を上げてみたいと思う。

 もちろん、こういった視点は、あくまで参考程度に留めるべきで、エリオット波動論の原則も絶対的なものではない。

■豪ドルの動きを参考に今後の円相場を占うと…?

 また、気になるのは、円と同じくショートポジションの積み上げが多かった豪ドルが、また安値を更新しているから、それを追随する形で、円売りが一段と強まる可能性も否定できない。

 一方、資源国通貨の豪ドルは、円と異なる側面も大きく、豪雇用統計の失速で景気悪化という材料を織り込む最中でもある。日銀が景気回復と判断している日本とまったく違う方向を示しているため、同じように扱えないところも大きい。

 そもそも、豪ドル/米ドルの日足で見る限り、RSIを始め、強気ダイバージェンスシグナルの構築も進んでおり、目先の下値余地は、やはり言われるほど大きくないのではないかと思う。

豪ドル/米ドル 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 いずれにせよ、相場は拮抗しているが、そろそろ再度荒れるタイミングにきている。トレンドの継続か、それとも反転か、見極める時期である。市況はいかに。

(1月17日 PM2:00 執筆)

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