昨日の欧州序盤ではリスクテークが進んだ。アジア時間で日本株などが急伸したことによる面が大きい。テクニカル面からストップロスを誘発したという見方もあるが、実際に材料には乏しかった。それでも株価が上ってきた以上、リスク許容度の増大に目を背けるわけにもいかない。
ドル円は102.80あたりまで上がってきた。やはりこの近辺はドル円の2月以来の高値圏でもあるので、キャップされてしまう。私も102.76で売って、損切り注文を102.85にプレイスして、後はマーケット次第という態勢で構えた。
欧州株も高値追いの展開となっているので、苦戦を強いられるのはもちろん承知している。しかしクリミア議会でロシア編入が決議されるなど、地政学的リスクは高まるようなこともあったが、株価は崩れなかった。しかるにドル円もユーロ円も下がらない。
BOE(英中銀)もECB(欧州中銀)も政策金利の変更はなかった。一部にはウクライナ問題なども出てきたため、ECBが何か緩和策を出してくるのではないかという観測もあったユーロだが、ユーロドルが上下に振れたが、やはり元のレベルですぐに落ち着いた。
ドル円は小動きだったが、米失業保険の出る前にすでに私のストップ注文はあっさりとダンになった。こうなるとドル円は外向きの力、すなわち買い圧力が強まっていきそう。次にひかえる今年のレンジの半値である103.09を狙える位置につけている。ド転してついていったが、103.09はつけてきたが動きもチョッピーだったので10ポイントちょっとでクローズした。
そしてドラギ総裁の会見では、経済成長や将来のインフレ率が上昇するような見解を示したことで、ユーロ買いが強まってきた。ユーロドルは1.38台に乗せてきて、いよいよ昨年来の高値を伺っている。ユーロドルはますます買っておきたいという状況になってきた。でも1.38台はヘッドアンドショルダーを形成している途中でもある。
ユーロドルは1.39台に乗せてくるまでは完ぺきなユーロブルにもなれない。それまでは逆張りで対処するか、短期的なトレンドフォローで臨んでユーロロングで攻めるしかないだろう。
さて今晩は雇用統計である。予想では就業者数は14万人から15万人の増加、失業率は6.6%が見込まれている。あまり良いものが期待されていない予想となっている。今回の注目は失業率のほうだろう。FEDが数値目標であげているのは失業率6.5%なので、それに急接近した場合のドル金利の動きがどうなるかだ。
それは既定の緩和縮小に向けた路線に変更を迫るものなのかどうか。10年ものの米国債の利回りが3.0%の近辺にまで上がっていかなければ、何の政策変更も期待されていないということになり、為替相場もますます委縮する展開になりそうだ。
すでに6.5%という数字は意味を成さないという解釈も出ているが、それだったらそれで、フォワードガイダンスが変更を余儀なくされる。それでもマーケットは同様に動くことになるだろうが、為替相場では足元で進んでいるドル安に対して、流れが変わることがありうるのかどうかである。
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