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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

「米雇用統計発表後にドル/円反落の法則」
は続くのか? ドル/円の上放れはダマシ?

2014年08月01日(金)17:24公開 (2014年08月01日(金)17:24更新)
陳満咲杜

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■米ドル/円も含めて米ドル全面高だが…

 文字どおりの米ドル全面高、すなわち米ドル/円も含めた米ドル高になっている。 

世界の通貨米ドルvs世界の通貨 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルvs世界の通貨 日足

※米ドルの強さを見やすくするため、このチャートには“逆転通貨ペア”が含まれています。これにより、この一覧チャートでは、米ドルが上がるとすべてのチャートが上昇する形になっています。

 直接的な引き金は米GDPの好調と見なされるが、米早期利上げ観測の高まりによる米金利の上昇が本質的な要素であろう。

 ゆえに、本日(8月1日)の米雇用統計の結果が一段と重要となり、米ドル全面高継続の有無が問われる

 米ドル/円の103円大台タッチは筆者の想定より激しいリバウンドを示唆している。一方、短期スパンにおけるリバウンドが激しかったからといって、リバウンド自体をメイン変動と見なすことはない。

 言い換えれば、米ドル/円の反騰はスピード調整の範囲内にあり、円高トレンドがなお継続中だという見方自体は変わらない。

■金利上昇が株式市場を圧迫し、リスクオフになる可能性大

 もっとも、米早期利上げ観測自体が正しいかどうか(今夜、8月1日の米雇用統計に検証される)は別にして、金利上昇自体は株式市場にとってマイナス要素である。

 たびたび指摘してきたように、米国株を始め、先進諸国の株価水準は割高で、調整を避けられない以上、金利上昇あるいは金利上昇の観測は、株の反落をもたらす原動力と化す、といったシナリオは十分想定できる。

 となると、目先、米金利上昇を受け、素直な米ドル全面高が演じられ、いわゆる「良い米ドル高」となっているが、これが今後も継続していけるかどうかは不透明で、筆者はかなり疑問視している。

 そう思う最大の根拠は他ならぬ、金利上昇(およびその観測)が株式市場を圧迫してくるなら、「良い米ドル高」が「悪い米ドル高」、つまりリスクオフ型米ドル高になっていく余地が大きいからだ。

 もちろん、リスクオフになってくると、文字どおりの米ドル全面高ではなく、円も米ドルといっしょに買われる公算が高いから、ドルインデックスと米ドル/円の値動きが、異なる傾向になってくることも想定できる。

■NYダウの頭打ちは一目瞭然

 こういったシナリオは現実味を増している。昨日(7月31日)欧米株が急落、NYダウは2014年年初来の上昇幅を削り、S&P500指数は4月10日(木)以来、日足で最大の下落幅を記録した。

 世界株式市場のパフォーマンスを測るMSCI指数は7月に1.3%の下落となり、月足は1月以来の陰線引けとなった。相応するように、恐怖指数(VIX指数)は再び17の節目に迫り、歴史的な低水準を修復しようとする動きを強めている。

 NYダウを例に挙げてみると、7月27日(日)に筆者のツイッターで下記のチャートを掲示していたが、最新のチャートと見比べれば、NYダウの頭打ちは一目瞭然だ。 

NYダウ 日足(7月27日付 クリックで拡大)

NYダウ 日足(クリックで拡大)

 

(出所:米国FXCM

 日本株や米ドル/円の上昇が大きく進行していくには、外部環境の良さやVIX指数の安定が欠かせないだけに、これから株高・円安を継続していくという見方には同意できない。

■米ドル/円も日本株も上放れは「ダマシ」では?

 それでも巷では、再び株高・円安に傾く論調が声高になっているのは、日本株や米ドル/円が目先上昇傾向を強めているように見えていることが一番の原因だと思う。

 米ドル/円については、下のチャートが示しているように、上昇トライアングルの上放れと認定する人が多い。

米ドル/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 また、日経225については下のチャートに記しているように、「逆三尊型(※)」の上放れと見なす人も多いだろう。

(※編集部注:「三尊型」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。仏像が3体並んでいるように見えるために「三尊型」と呼ばれていて、人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼ぶこともある)  

日経225 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 しかし、テクニカルアナリシスには「ダマシ」という見方があり、米ドル/円にしても日経225にしても、今、立派な「ダマシ」を形成しているのではないかと思う。

■円以外の主要通貨は米ドルの受け皿として売られる

 米ドル/円に関して、昨日(7月31日)、下記のチャートをもって説明したので、ちょっと早いが開示して、筆者の見方を明らかにしておきたい。

 この見方の正誤は、これからの値動きで検証されるので、筆者にとって、リスキーであり、またワクワクできるものである。 

米ドル/円 4時間足(7月31日付 クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 詳細な説明は次回に譲りたいが、ここで指摘しておきたいのは、文字どおりの米ドル全面高にしても、米ドル/円を含まない米ドル高にしても、円以外の主要通貨は米ドル高の受け皿として売られる運命にあるということだ。

 よって、先週の本コラムで指摘したとおり、ユーロ/米ドルだけでなく、英ポンド/米ドルも豪ドル/米ドルも頭打ちのサインを点灯しているので、これからより下落余地が拡大するだろう。

【参考記事】
リスクオフ警戒! 米ドル/円が102円台にタッチするならロング筋最後の逃げ場に?(2014年7月25日、陳満咲杜)

 前回のチャートに続き、最新チャートをもう1回確認しておこう。 

英ポンド/米ドル 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM) 

豪ドル/米ドル 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 そして、「悪い米ドル高」にしても、「良い米ドル高」にしても、米ドルの対極として存在するユーロの崩壊(不思議なのは、今、誰もユーロ崩壊を言わなくなっている)は避けられないので、結局、ユーロ/円も早晩136円の大台割れで円高の第二段階に進むだろう。

 その時、果たして米ドル/円が巷で言われるように、上昇トライアングルの上放れで105円や110円といった「従来」の上値ターゲットを狙えるだろうか。

■最近の米雇用統計前後の法則、今晩はいかに?

 最後に、米雇用統計が発表される本日(8月1日)だからこそ、3月以来、米ドル/円が繰り返してきたあるパターンを提起しておきたい。

 そのパターンとは、米ドルのリバウンドは米雇用統計発表まで続き、発表された後は内容とは必ずしも関係なく、米ドルが反落してくることである。

【参考記事】
ドル/円と米雇用統計の関連性は高くない。円高の牽引役はユーロから米ドルへ?(6月13日、陳満咲杜)
NYダウ1万7000ドルの今こそ嵐を警戒! 「雇用統計良いとドル/円上がる」はウソ?(7月4日、陳満咲杜)

 市況はいかに。

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