■NZドルは続落、注目は8月上旬の乳製品入札!
みなさん、こんにちは。
このコラムで何度かご紹介してきたNZドルですが、今週(7月28日~)も続落。まず7月28日(月)にはニュージーランドのキー首相が、為替相場に言及。
「NZドルが過大評価との点で中銀に同意」キー・ニュージーランド首相
【関連記事】
●NZ中銀利上げ停止示唆でNZドル急落! 長期続落の豪ドル/NZドル反発に注目!(7月24日、西原宏一)
●乳製品価格8.9%低下でNZドルが急落! NZ中銀は政策金利据え置きとの思惑も!?(7月17日、西原宏一)
翌7月29日(火)にはニュージーランドの大手乳製品メーカー・フォンテラ社が「ミルクプライス(乳製品に対する支払い価格)の見通しを1キロ7NZドルから6NZドルへ引き下げ」との報道でNZドルは続落(※)しました。
(※執筆者注:ニュージーランドは輸出総額の25%が酪農製品で、そのほとんどがフォンテラ社の製品とされています。そのためフォンテラ社の収益に影響する乳価「milk price」が下がると業績はGDPに大きな影響を及ぼします)
NZドル/米ドルは高値の0.8836ドルから0.8463ドルまで、短期間で約370pips急落。

(出所:米国FXCM)
RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])の金利見通しの変化(前コラム参照)に加え、フォンテラ社の業績懸念により、マーケットがNZドル/米ドルロング(買い建玉)の利益確定に走ったのが急落の大きな要因です。
【関連記事】
●NZ中銀利上げ停止示唆でNZドル急落! 長期続落の豪ドル/NZドル反発に注目!(7月24日、西原宏一)
豪ドル/NZドルも、一時1.1050ドル水準まで反発。

(出所:米国FXCM)
NZドル/米ドルは短期間で急落しているため、いったんの反発はあるでしょうが、流れはダウンサイド。

(出所:米国FXCM)
NZドルに関しては、8月5日(火)に予定されている次回の乳製品入札に注目。
■米ドル/円は節目を突破し、一時103円台回復!
2014年7月はマーケットの想定どおり、本邦年金と思われる断続的な買いにより日経平均は続伸しており、本日、7月31日(木)は一時1万5700円台を回復。

(出所:株マップ.com)
それと比較して、長期にわたって101円台で膠着していた米ドル/円ですが、米金利の反発とともに7月30日(水)には一時103円台を回復しました。

(出所:CQG)

(出所:米国FXCM)
米金利の反発のきっかけとなったのが、米国の国内総生産(GDP)の改善。
第2四半期がプラス4.0%とコンセンサス(プラス3.0%)を大きく上回る結果。第1四半期のマイナス幅は2.9%から2.1%まで縮小し、過去3四半期もすべて上方修正となりました。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国GDP成長率の推移)
呼応して米長期金利(10年物国債の利回り)は2.56%まで急騰。これは3週間ぶりのレベル。

(出所:CQG)
一方、米金利の上昇は高金利通貨の売りを誘因し、ブラジルレアル、トルコリラとも急落。同じく資源国通貨の豪ドルも下落(豪中銀のスティーブンス総裁が警告したとおり、豪ドル/米ドルもじわじわと下落してきています)。
米金利の上昇により、低位に落ち込んでいた米ドル/円のボラティリティが回復。
102.00~102.50円にはオプションサイドからトータルで50億ドルほどの売り注文が待っているとも言われていましたが、本日、7月31日(木)の満期を待つまでもなく、米金利の反発に呼応し、米ドル/円は節目の102.50円をブレイク。

(出所:米国FXCM)
上昇に加速がついた米ドル/円は、一時103.15円まで急騰しました。
この米ドル高の流れが続くかどうかを占う意味で重要なのが、8月1日(金)の米雇用統計。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
ただ、米ドル/円は長期にわたって継続していた「101円台の保ち合い」を7月30日(水)に上抜けていることに加え、日本株が極めて堅調なこともあり、下落は限定的。101円台で底固めをした米ドル/円は105円に向けて、引き続き上昇する可能性が濃厚。
ボラティリティが回復し、円安の動きが再開した米ドル/円の行方に注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。























株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)