■米ドル/円での米ドル高・円安の流れ変わらず
みなさん、こんにちは。
先週(8月18日~)、お盆明けに、マーケットのコンセンサスどおり急騰した米ドル/円ですが、今週(8月25日~)は一服。
今週、8月25日(月)早朝こそ、大手ヘッジファンドの巨額な米ドル買いにより104.47円まで続騰した米ドル/円ですが、短期勢の利益確定売りに押され、104円台を維持できず、103円台後半へ反落。

(出所:米国FXCM)
※取引開始時間の違いから、上のチャートでは8月25日(月)早朝に104.47円までは上昇していません。
米系短期筋は1-2カ月物で105.00円のオプションを構築して待ち構えていたプレイヤーが多いため、彼らからの利益確定売りによる調整は仕方のないところ(前回のコラムを参照)。
【参考記事】
●アベノミクス第2幕! 約12.6兆円の円売り発生の可能性! 米ドル/円は108円へ!(8月21日、西原宏一)
2014年5月21日安値から同8月25日高値までの上昇幅の38.2%戻しとなる103.00円程度の押し目が意識されつつ、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオの変更が発表される、9月に米ドル/円は再び上昇を再開する可能性が濃厚です。
■米国株堅調が米ドル続伸の支えに
今月、8月後半は米ドル/円のみならず、総じて米ドルが堅調。
このコラムでご紹介させていただいたユーロ/米ドルは、来週、9月4日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会の追加緩和期待を背景に、ついに1.3300ドルのバリアをブレイクし、一時1.3153ドルまで反落。
【参考記事】
●売り材料には事欠かないユーロ。なのにユーロ/米ドルの下落が緩慢な理由とは?(8月7日、西原宏一)

(出所:米国FXCM)
1.7000ドル台でのステイに失敗した英ポンド/米ドルも1.6513ドルまで反落。

(出所:米国FXCM)
今回の米ドル続伸は、堅調に推移している米国株の動向も要因の1つとなっています。
来週、9月4日(木)のECB理事会の追加緩和期待を背景に、独長期金利(10年物国債の利回り)は0.90%割れ。米長期金利は2.357%まで低下しており、米金利も引き続き軟調。

(出所:CQG)
こうした低金利が、米国株のサポート要因となっています。そして、米国株の堅調さが、米ドルを下支える展開。

(出所:米国FXCM)
■主要通貨では高金利の豪ドルに資金が集まり始めている
一方、主要通貨に対して米ドルが堅調な流れの中にあって、底堅く推移しているのが豪ドル。
豪ドル/米ドルは、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])のスティーブンス総裁が、0.9500ドルレベルに明確にレジスタンスを引いたことから、じり安に推移。
ただ、前述のように、米国やユーロ圏の金利がじり安に推移していることから、主要通貨の中では高金利である豪ドルには、じわじわ資金が移動して下げ止まり、反発。

(出所:米国FXCM)
豪ドル/米ドルはじわじわと値を上げ、本日、8月28日(木)はオーストラリアの指標が好調だったこともあり、0.9371ドルまで上昇。
今週(8月25日~)は月末を控えて、米ドル/円やユーロ/米ドルも利益確定に押され、円やユーロは対米ドルでは堅調ですが、その調整幅は限定的。
逆に、豪ドル/米ドルは反発幅が大きく、0.9400ドルに向けて上昇しています。
結果として、豪ドル/円は97円台を回復。豪ドル/NZドルは1.11ドル台を回復と豪ドルは堅調。

(出所:米国FXCM)

(出所:米国FXCM)
■豪ドル/円は100円に向けて、じわじわ上昇か
わずかなイールド(利回り)を求める資金は、政策金利が2.50%の豪ドルへと移動。
主要国の中で高金利といえば、RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])が政策金利を3.50%に設定しているNZドルが挙げられます。
ただ、ニュージーランドは、大手乳業メーカーのフォンテラの業績が悪化していることと、RBNZが利上げから中立へとスタンスを変更したことからリストから外れ、豪ドルが選好されています。
グローバルに低ボラティリティと低金利に陥っている中、わずかなイールドを求めて豪ドルが底堅く推移。
8月から再び円安に舵を切った米ドル/円ですが、ボラティリティが低い中、歩みは遅いながら、豪ドル/円も100円に向けて、じわじわと上昇する可能性が高まってきました。

(出所:米国FXCM)
9月に向けて、米ドル/円のみならず、豪ドル/円にも注目です。
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