■NZドル/米ドルは400pips以上急落後に調整局面入り
みなさん、こんにちは。
前週に続いて、NZドル/米ドルは続落。
【参考記事】
●ドル/円は105円に向け上昇の可能性大。NZドル相場のカギは乳製品入札にあり!(7月31日、西原宏一)
NZドル/米ドルは今年、2014年2月の年初来安値0.8051ドルから7月の年初来高値0.8835ドルの上昇幅の50%戻しとなる0.8443ドルを割り込み、一時0.8422ドルまで下落。

(出所:米国FXCM)
わずか1カ月弱で、高値から400pips以上急落しています。
そして、ニュージーランドの大手乳製品メーカー・フォンテラ社の業績悪化懸念も加わり、短期間で急落したNZドル/米ドルの下落はここにきて一服、調整局面入りしています。
ニュージーランドは政策金利が3.50%あるので、NZドル/米ドルは、ここからはあまり深追いせず。ただ、流れは変わらず、戻りを試す局面ではていねいに戻り売り。

(出所:米国FXCM)
■マーケットでは総じて米ドルが堅調
NZドル/米ドルほどの下落を演じているわけではありませんが、1.7ドル台でのステイに失敗した英ポンド/米ドルもあっさり1.68ドル台に反落。

(出所:米国FXCM)
ユーロ/米ドルもじわじわと値を下げており、総じて米ドルが堅調なマーケットが続いています。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:米ドル VS 世界の通貨 週足)
ユーロ/米ドル下落のきっかけは、2014年5月に配信したコラムにもありますが、まずフランス当局からのユーロ高牽制コメント。ECB(欧州中央銀行)はユーロ/米ドルの1.4000ドルに明確なレジスタンスラインを引きました。
【参考記事】
●今回は「口だけドラギ」でなさそう!? 仏当局の言動怪しく、ユーロ下落に注意!(5月15日、西原宏一)
■悪材料に事欠かないことが逆にユーロ急落を抑制
そして、現在、ユーロ売り材料には事欠きません。
たとえば、ロシアのプーチン大統領はウクライナ情勢の悪化に伴う対ロシア制裁への報復措置として、食料輸入を制限すると発表。加えて、「ロシアによるウクライナ侵攻の脅威は現実」と、ヘーゲル米国防長官がコメントしています。
ロシアとの経済関係が深いユーロ圏にとって、こうした事態は景気の足かせとなります。
さらには、イタリアのGDP(国内総生産)が2四半期連続でマイナス成長となり、イタリア経済が再びリセッション(景気後退)入りしたとの懸念が拡大。
ユーロ圏の悪材料がこれだけ揃っているにも関わらず、ユーロ/米ドルの下落が緩慢なのは、マーケットがすでにユーロショートになっていること。ユーロの悪材料が揃いすぎていることが、マーケットのユーロショートを誘因し、それが逆にユーロ急落の抑制となっています。

(出所:米国FXCM)
■ユーロ/米ドルは1.30ドルへ向けて静かに下落中
加えて、ユーロ/米ドルは要所要所にオプションのバリアが控えており、それが下落のスピードを抑制しています。
今週(8月4日~)、やっと1.3350ドルのバリアが崩され、一時1.3333ドルまで下落。
次は、1.3300ドルのバリアがサポートとなっていますが、上記のようにマーケットのユーロショートの利益確定を消化しながら流れは米ドル高へ。
欧米主要銀行の今年、2014年年末のユーロ/米ドルの予測は1.30ドルというのが多いのですが、そちらに向かってユーロ/米ドルは静かに下落中。

(出所:米国FXCM)
NZドル/米ドルのような急落はありませんが、静かに値を下げているユーロ/米ドルにも注目です。
来週は休暇のため、「ヘッジファンドの思惑」は休載させていただきます。よろしくお願いします。
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