米ドル/円は145～142円が下値の目安！2025年末に向けて注目通貨ペアの戦略をセントラル短資ＦＸベテラン為替ディーラーが解説！

■当面、米ドル高・円安は続く！ 動き出した列車から…

 前回のコラムで、「長いレンジ相場からようやく抜け出した相場で、かつしっかりとした材料で動き始めているため、当面、米ドル高・円安が続きそうである」という見方を示しました。

【参考記事】
●塩崎氏の厚労相就任でドル/円105円へ。動き出した列車から早く下車しないこと！（９月４日、今井雅人）

米ドルＶＳ世界の通貨 ４時間足

（リアルタイムチャートはこちら → FXチャート＆レート：米ドルＶＳ世界の通貨 ４時間足）

世界の通貨ＶＳ円 ４時間足

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 その後の相場展開は、予想どおりに動いてきています。

 それと、「せっかく動き出した列車から、焦って早く下車しない」という姿勢が大事だと書いておきましたが、今回もそのことを強調しておきたいと思います。

■レンジを抜けた相場こそ儲けやすい！ 粘り強い姿勢で

 よくある話ですが、レンジ相場が続いて、買ったまま持っていても儲からない状態をイライラとして過ごしていると、その後、相場が動き始め、少し儲けが出たときに「ああ、やっと儲かった」とついつい利食いをしてしまいがちになります。

 しかし、実は相場は始まったばかりで、その後の上昇にまったくついていけず、がっかりしてしまうということがないでしょうか？ 私は、現役時代、そういうトレーダーをたくさん見てきました。

 実は、レンジから抜け出した相場こそ、もっとも儲けやすいチャンス。流れができたときに、いかにその「流れに乗れるか」が優秀なトレーダーかそうでないかの違いであるといっても過言ではないでしょう。

 こういうときは、蛇のように粘り強い姿勢を持つことが大事です。

■プロの世界でチャートで取引する人は少ない

 今回の相場展開で改めて確信していることは、やはり相場は、ある程度理屈どおりに動くということです。

 為替相場は、各国の金利動向や為替市場での需給の変化に対して非常に敏感に動きますが、今回もその典型のような相場です。やはり、ファンダメンタルズをしっかり分析すること、情報をしっかりとつかむことが非常に重要であります。

 チャートでトレードをするのも悪くはありませんが、プロの世界で儲けている人にチャートで取引をしている人は少ないということも申し上げておきたいと思います。

■想定した展開と違ったときは、間違いを潔く認める

 そして、逆に言えば、相場というのは決して奇をてらってはいけないということです。

 相場が十分伸び切ってしまったときは、逆に動き始めるということはもちろんありますが、最初のトレンドを作るときは、やはり理屈どおりに動くものです。

 もし、その流れを読みきれないで逆方向に予想してしまっていた場合も、自分が想定していた展開と違ったならば、自分の間違いを認める潔さも時には必要となります。

 いつまでも、最初の考えに固執していると大きなチャンスを逃してしまうばかりか、逆に大損をしてしまったりするものです。

 基本的な考えに基いた客観的な分析をすること、分析に誤りがあったと判断したときは潔く見方を変えること、これを併せ持つことが重要です。

■為替市場と株式相場の相関関係が崩れてきた

 さて、金利相場になったということで、世界全体で見ると、現在は為替市場と株式市場の相関が崩れてきました。

 金利以外の材料で、株式市場が動いているときは、株高→円安という流れができますが、今は米国の早期利上げ観測を中心に各国の金利動向が主役となっています。

米長期金利（米10年もの国債の利回り）

（ＣＱＧ）

 そうなると、為替相場は株式市場とは独立した動きを始めることがあります。今はまさにそういう相場展開となっています。

 つまり、米国の株式市場は少し方向感がなくなっている一方、米ドルは上昇トレンドに入っているという展開です。

米国株（ＵＳ30） 日足

（出所：米国ＦＸＣＭ）

米ドルＶＳ世界の通貨 日足

（リアルタイムチャートはこちら → FXチャート＆レート：世界の通貨ＶＳ円 日足）

■揺り戻しは起きても米ドル高の流れ継続

 前回のコラムでも申し上げたとおり、９月という時期はまだトレンドを崩して利食いに入るより、もう少しトレンドを伸ばしていきたいというバイアスが働きやすいということでしょう。

【参考記事】
●塩崎氏の厚労相就任でドル/円105円へ。動き出した列車から早く下車しないこと！（９月４日、今井雅人）

 もちろん、局面、局面では小さな揺り戻しは起きると思いますが、基本的には米ドル高の流れは続くと考えておきます。

 ただし、あまりスピードが速くなってくると、各国の通貨当局関係者が何か発言をし始める可能性があるので、それには注意を払っておく必要があります。このことを少し頭に入れておいてもらいたいです。

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