■ECBは量的緩和にさらに追い込まれる展開
米ドル/円の110円台到達同様、ユーロ/米ドルも1.2500ドルの節目に到達したあとは調整での反発が続いています。
今週(10月6日~)のユーロ/米ドルは安値から久しぶりに250pips反発。
(出所:米国FXCM)
しかし、ユーロを取り巻く環境は依然不透明。
10月7日(火)には、ドイツの8月の鉱工業生産が発表され、前月比マイナス4%で2009年1月以来の大幅減少となり、マーケット参加者を驚かせました。
呼応してドイツの株価も急落。DAX指数はついに9000ポイントを割り込む展開。
(出所:米国FXCM)
ドイツ経済の不振は、ロシアへの経済制裁が両国の経済へ悪影響を及ぼしていることが要因として挙げられています。
この意味においては、ドイツの第3四半期GDPはさらに悪化する可能性があるということになります。
ドイツ経済がこの状態であれば、欧州の他国の経済状態がいいはずはありません。そのため、欧州経済はこれからさらに減速傾向が明白になるのではないでしょうか?
このような環境下では、ECB(欧州中央銀行)はますます量的緩和に追い込まれる可能性が濃厚です。
■ユーロ/米ドルは1.15ドルへ向けて下落する可能性濃厚!
一方、米国は量的緩和を終了しますが、これからユーロ圏からの資金が米国株と米国債に流れ込む可能性が高く、堅調な株価と低金利が続く可能性が高まります。
そのため米国経済は順調な回復を見せるでしょうから、トレンドとしてのユーロ安・米ドル高は継続。
足元のユーロ/米ドル相場に今一度、目を移すと、短期間で一気に1.2500ドルまで急落したため、今週(10月6日~)のユーロ/米ドルは調整中。
(出所:米国FXCM)
ただ、前述のようにECBが量的緩和に追い込まれつつあり、ユーロを取り巻く環境に変わりはありません
調整後、ユーロ/米ドルは再び1.2500ドルへ、中期では1.1500ドルに向かって下落する可能性が濃厚。
(出所:米国FXCM)
ロシアへの経済政策によってドイツを筆頭に経済の減速傾向が明白となり、下値余地がさらに拡大したユーロ/米ドルの動向に注目。
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