■6年ぶりに米ドル/円は110円台到達!
みなさん、こんにちは。
今週(9月29日~)も、米ドル/円は上昇の勢いが止まらず、10月1日(水)には6年ぶりに110円台へ到達。高値は110.09円。

(出所:米国FXCM)
しかし同日、10月1日(水)のニューヨーク市場で米国株が下落したことに日経平均が追随。本日、10月2日(木)の日経平均は1万6000円を割り込むという軟調な展開でした。

(出所:米国FXCM)

(出所:株マップ.com)
連れて米ドル/円も反落し、一時108.55円まで下落しています。

(出所:米国FXCM)
先月、9月の米ドル/円の上昇は凄まじく、8月の101円台からあっという間に9円急騰。そのため、急激な円安に対する警戒感がマーケットに拡大しました。

(出所:米国FXCM)
円安で公明代表、経済・財政対策での対応求める
公明党の山口代表は、急激な円安進行を踏まえ、経済・財政政策での対応を求めた。来年10月に消費税率を10%に引き上げるかどうかを首相が年内に判断するにあたり、「景気・経済を下支えするため、必要に応じて補正予算の編成も含めた万全の対策を講じるべきだ」とも指摘した。
出所:読売新聞
■米国株下落による米ドル/円反落は押し目買い好機
主要銀行の2014年の米ドル/円の目標は110~112円であるのですが、早々に110円に到達したため、欧米短期筋からの利益確定の米ドル売りも110円レベルでは散見されています。いったんスピード調整に入ったということなのでしょう。

(出所:米国FXCM)
当面、米ドル/円は107~110円のレンジでもみ合う可能性が濃厚。

(出所:米国FXCM)
米国株の下落により、米ドル/円が反落したところは、押し目買いの好機ではないでしょうか?
■ニュージーランドの首相発言などでNZドル売りが加速!
米ドル/円同様、こちらのコラムで注目しているNZドルも今週(9月29日~)急落。
【参考記事】
●ドル/円は節目110円越え濃厚で112円へ! コモディティ低迷で資源国通貨は続落か(9月25日、西原宏一)
●アベノミクス第2幕! 約12.6兆円の円売り発生の可能性! 米ドル/円は108円へ!(8月21日、西原宏一)
●売り材料には事欠かないユーロ。なのにユーロ/米ドルの下落が緩慢な理由とは?(8月7日、西原宏一)
まず、9月29日(月)にRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])が、8月中に5.2億NZドルのNZドル売りを行ったことを発表。
金額自体は大きくないのですが、RBNZによるNZドル売りはそれほど頻繁には行われていないこと、加えてRBNZの過去の介入は極めて効果的であったことからマーケットのNZドル売りが加速。
そして極めつけは、キー・ニュージーランド首相の下記のコメント。
「ニュージーランドドル(NZドル)にとっていわゆるゴルディロックス(景気が過熱しすぎず不況でもない、ほどよい状態)な水準は1NZドル=0.65米ドル前後だ」
このコメントを受け、NZドル/米ドルはあっという間に0.7709ドルまで急落。

(出所:米国FXCM)
■調整が終われば、NZドルは再び下落か
先週のコラムでご紹介したとおり、RBNZは先週すでに為替のレートに対してコメントしています。
【参考記事】
●ドル/円は節目110円越え濃厚で112円へ! コモディティ低迷で資源国通貨は続落か(9月25日、西原宏一)
数カ月前までRBNZの利上げ予測を背景に0.88ドル台まで急伸していたNZドル/米ドルですが、ソフトコモディティ(※)の下落とともに経済が減速。
(※編集部注:「ソフト・コモディティ」とは、小麦、小豆、砂糖、コーヒーといった農産物のこと)
今週、10月1日(水)に発表されたニュージーランドの大手乳製品メーカー・フォンテラ社の乳製品価格入札も前回比でマイナス7.3%と大幅下落になりました。
そのため、ニュージーランドは首相も含め、NZドルの水準を訂正しようとしており、NZドルの下値余地は大きく拡大。
前述のニュージーランド当局のあからさまなコメントで、通常、NZドルを取引しない参加者もNZドルのマーケットに参入しており、今週(9月29日~)のNZドル/米ドルのマーケットは、0.77ドル台に急落した後、0.79ドル台に急反発するという乱高下を演じています。

(出所:米国FXCM)
ボラティリティが高まり、荒れ模様なマーケットのNZドルですが、NZドル/米ドルはRBNZがコメントした0.8000~0.8100ドルの水準は極めて重く、調整が終わればNZドルはまた下落を再開すると考えています。

(出所:米国FXCM)
当局が為替の水準訂正を図っているNZドルに注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。























株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)