■メインストリームの米ドル高は不変
みなさん、こんにちは。
マーケットのメインストリームである米ドル高は今週(9月22日~)も不変。
ユーロ/米ドルは1.2800ドルを割り込み続落。

(出所:米国FXCM)
豪ドル/米ドルも0.9000ドルをブレイクし、本稿執筆時点で0.88ドル台前半まで急落しています。

(出所:米国FXCM)
■RBNZ声明でNZドル/米ドルは0.80ドル割れ
そして、当コラムで何度かご紹介しているNZドル/米ドルはついに0.8000ドルを割り込んできました。
【参考記事】
●アベノミクス第2幕! 約12.6兆円の円売り発生の可能性! 米ドル/円は108円へ!(8月21日、西原宏一)
●売り材料には事欠かないユーロ。なのにユーロ/米ドルの下落が緩慢な理由とは?(8月7日、西原宏一)

(出所:米国FXCM)
急落のきっかけはRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])の下記の声明。
「為替レートの水準は正当化されず持続不能」
「為替介入が適しているか判断するのに為替レートが持続不能というのは重要な点」
RBNZが引き締めの過程にある場合は、こうしたコメントになんの効力もないのですが、現在、RBNZの金融政策はニュートラル。
加えてサプライズだったのが、この声明が出されたときのNZドル/米ドルの水準が0.80ドル台後半だったということ。
これは、2014年7月の高値から700pipsも低いレベルであり、このレベルでもRBNZはまだ極めて高すぎるとコメントしているわけです。
この声明により、NZドル/米ドルは0.8000ドルの大台をあっさり割り込み急落。
今年、2014年に入ってハード・コモディティ(※1)の下落が豪ドルを、そしてソフト・コモディティ(※2)の下落がNZドルの下落を誘因しています。コモディティの需要が低迷する中、NZドルや豪ドルといった資源国通貨の下落はまだ続きそうです。
(※1 編集部注:「ハード・コモディティ」とは、金やプラチナなどの貴金属や原油、天然ガスなどのエネルギーのこと)
(※2 編集部注:「ソフト・コモディティ」とは、小麦、小豆、砂糖、コーヒーといった農産物のこと)
■米ドル/円は110円の大台まで50pips強まで急騰
そして注目の米ドル/円は先週、9月19日(金)にあっさり109.46円まで急騰。

(出所:米国FXCM)
節目であり、巨大なバリアがあると言われている110.00円まであと50pips強のところまで急騰しています。
そして、トリプルウィッチング(※)の翌週である今週(9月22日~)前半、マーケットのコンセンサスどおり、米国株が下落する中、米ドル/円も反落したのですが、安値は108円台前半までと限定的。
(※編集部注:「トリプルウィッチング」とは、主に米国市場で使われる用語で、株式先物取引、株価指数オプション取引、個別株オプション取引の3つの取引期限満了日が重なる日のこと)
先週、9月18日(木)のコラムでご紹介させていただいたRKO(リバース・ノックアウト・オプション)がノックアウトした107.50円や108.00円までは調整せず、本日、9月25日(木)は日経平均の反発とともに米ドル/円も再び109円台を回復。
【参考記事】
●米ドル買い遅れ組が増加した理由とは? ドル/円は110円へ上値拡大の可能性大!(9月18日、西原宏一)

(出所:株マップ.com)

(出所:米国FXCM)
米ドルの押し目が極めて浅かったため、オプションがノックアウトしたままの参加者の米ドル不足が解消されない状態。
■米ドル上昇で、米ドル/円は110円越えが濃厚
前コラムのとおり、110.00円は多くの参加者のターゲットであるため、109円台後半は売り指値が厚く上値を抑えていますが、米ドル/円だけでなく、主要通貨に対して米ドルは軒並み値を上げているため、米ドル/円の下落も限定的。
【参考記事】
●米ドル買い遅れ組が増加した理由とは? ドル/円は110円へ上値拡大の可能性大!(9月18日、西原宏一)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
この米ドルの上昇に関しての米国側のスタンスはルー米財務長官がコメントしているように今のところ(?)容認。
「市場の状況にはコメントしないが、米ドル上昇は常に良いこと」=ルー米財務長官(前回のコラムを参照)
【参考記事】
●米ドル買い遅れ組が増加した理由とは? ドル/円は110円へ上値拡大の可能性大!(9月18日、西原宏一)
主要通貨に対して軒並み値を上げてきた米ドル。
そして、節目の110円超えが濃厚で、112円まで上値拡大の可能性がある米ドル/円の動向に注目です。

(出所:米国FXCM)
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