■ユーロ/米ドルは1.16ドルを超えられなければ1.10ドル台も
検証材料にするには、ギリシャに関する合意が、決裂するよりも一時何らかの形でまとまる方が望ましい。こういった材料が出てからの、ユーロの反騰余地を観察したい。
1.16ドルの節目がらみで頭を押さえ込まれるなら、ユーロの一段安が有力視され、早期に1.10ドルの大台を打診することを覚悟すべきではないだろうか。
(出所:米国FXCM)
■ユーロ/円の下値は引き続き128円がターゲットになるか
リンクしたように、ユーロ/円も頭が重く、1月安値を起点としたリバウンドはすでに終焉したか、これから終焉してくるだろう。
今晩(2月20日)のギリシャに関する合意の有無が短期スパンの値動きを決定するが、一時の「好材料」が出ても136~137円がらみの抵抗ゾーンに頭を押さえられるなら、引き続き128円台の下値ターゲットに照準するだろう。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
したがって、米ドル/円も引き続き、頭の重い展開となる公算が高い。ユーロ/円がベアトレンドへ復帰してくれば、2015年年初来のように、その円買い圧力が米ドル/円に波及してこよう。前回(2月13日)のコラムでも指摘したように、近々120円の大台回復がなければ、こういった関係性に一層注意しておきたい。
【参考記事】
●追加緩和は逆効果?日銀騒動でドル/円急落! 日銀関係者の「単独犯」ではない可能性も(2015年2月13日、陳満咲杜)
その上、皮肉にもユーロ安はドルインデックス高を意味するから、米ドル全面高の受け皿の役割を、主にユーロが果たしている状況では、ドルインデックスが高ければ高いほど、ユーロ安トレンドが「硬直化」し、ユーロ/円の下落を通じて、米ドル/円の頭を押さえ込む可能性が大きい。
ドルインデックスの日足を見る限り、米ドル全体は明らかにオーバーボート(買われすぎ)の状況にあるが、大した調整が行われずにもう一段高する可能性は否定できない。
(出所:米国FXCM)
いずれにせよ、米ドル/円は大いなる保ち合いが続く公算が大きく、またこの保ち合いの拡大、すなわち押しが深くなる可能性もあるから、日経平均がこれからも高値更新していくとしても、追随するどころか、相反する値動きさえ覚悟すべきだろう。
とはいえ、日経平均がガンガン高値を追っていくとも考えていないから、連動性が薄いままに推移していくのではないだろうか。市況はいかに。
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