■米FOMCを終えて一変した為替マーケット
3月18日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)以来、市場のムードが一変しています。
端的に言えば、米国の利上げが、かなり先送りになりそうだという認識が広がったために、米ドルの上昇圧力が弱まっているということです。
【参考記事】
●「辛抱強く(patient)」削除は予想どおり!ならばなぜFOMC後にドルは売られたか?(3月19日、今井雅人)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
中期的には、米ドル高方向に向かうのだろうという認識は多くの市場関係者が持っているものの、今、米ドルを買う材料が見つからなくなってしまったため、むしろ調整の米ドル売りが先行する状況となっています。
■調整という状況下で、米ドル売りが起きやすい理由
下のグラフは、IMM(国際通貨先物市場)の米ドル/円とユーロ/米ドルのポジション状況を示していますが、いずれも依然として米ドルロングの状態となっています。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
つまり、調整という状況下では、米ドル売りの方が起きやすいということです。
ただ、この2つの通貨の間には、大きな差も見られます。
■米ドル/円の調整余地はあまり大きくないだろう
米ドル/円のロングについては、かなり解消されてきて、ピークの半分以下になっているのがわかります。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
それにも関わらず、米ドル/円がそれほど大きくは崩れていないのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)をはじめとした、日本の公的資金の米ドル買いが断続的に出ていることが原因ではないかと思われます。
【参考記事】
●ユーロ/ドルは1.0000ドルへ向けて下落!ドル/円膠着の背景にある政治的変化とは?(3月5日、今井雅人)
先日発表されたGPIFの10-12月期のポートフォリオの状況を見ると、この3カ月間の間に2.4兆円ほど海外資産が増えています。円安により、既存資産が円換算で増えているという点は考慮しなければならないものの、かなりの金額の円売りが発生しているのは事実です。
実際、現在も119円あたりから下には、こうした公的資金による買い注文が断続的に並んでいると言われています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
そういう点を考慮すると、米ドル/円に関しては、調整の余地はそれほど大きくはないのではないかと考えています。
一方のユーロですが…
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