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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

ユーロ/ドルの戻りは1.11ドル付近がメド。
米ドル/円の調整余地はあまり大きくない

2015年03月26日(木)17:11公開 (2015年03月26日(木)17:11更新)
今井雅人

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■米FOMCを終えて一変した為替マーケット

 3月18日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)以来、市場のムードが一変しています。

 端的に言えば、米国の利上げが、かなり先送りになりそうだという認識が広がったために、米ドルの上昇圧力が弱まっているということです。

【参考記事】
「辛抱強く(patient)」削除は予想どおり!ならばなぜFOMC後にドルは売られたか?(3月19日、今井雅人)

米ドルVS世界の通貨 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足

 中期的には、米ドル高方向に向かうのだろうという認識は多くの市場関係者が持っているものの、今、米ドルを買う材料が見つからなくなってしまったため、むしろ調整の米ドル売りが先行する状況となっています。

■調整という状況下で、米ドル売りが起きやすい理由

 下のグラフは、IMM(国際通貨先物市場)の米ドル/円とユーロ/米ドルのポジション状況を示していますが、いずれも依然として米ドルロングの状態となっています。

IMM(国債通貨先物市場)のポジション状況

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

 つまり、調整という状況下では、米ドル売りの方が起きやすいということです。

 ただ、この2つの通貨の間には、大きな差も見られます。

■米ドル/円の調整余地はあまり大きくないだろう

米ドル/円のロングについては、かなり解消されてきて、ピークの半分以下になっているのがわかります。

IMM(国債通貨先物市場)のポジション状況・米ドル/円

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

 それにも関わらず、米ドル/円がそれほど大きくは崩れていないのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)をはじめとした、日本の公的資金の米ドル買いが断続的に出ていることが原因ではないかと思われます。

【参考記事】
ユーロ/ドルは1.0000ドルへ向けて下落!ドル/円膠着の背景にある政治的変化とは?(3月5日、今井雅人)

 先日発表されたGPIFの10-12月期のポートフォリオの状況を見ると、この3カ月間の間に2.4兆円ほど海外資産が増えています。円安により、既存資産が円換算で増えているという点は考慮しなければならないものの、かなりの金額の円売りが発生しているのは事実です。

 実際、現在も119円あたりから下には、こうした公的資金による買い注文が断続的に並んでいると言われています。

米ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足

 そういう点を考慮すると、米ドル/円に関しては、調整の余地はそれほど大きくはないのではないかと考えています。

■ギリシャの改革案をきっかけにショートカバー加速するかも

 一方のユーロですが、ユーロ/米ドルが500pipsほど買い戻されているにもかかわらず、ユーロショート・米ドルロングのポジションは、ほとんど減っていません

IMM(国債通貨先物市場)のポジション状況・ユーロ/米ドル

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

 むしろ、直近では投機筋は、売り上がってポジションを増やしている傾向になっているようにも見えます。

 3月30日(月)には、ギリシャがEU(欧州連合)に対して、経済政策での改革案を示さなければならないという報道がありますが、そこで仮に暫定的なものであっても、何らかの妥協がなされれば、ショートカバーが加速するきっかけになるかもしれません。

■3分の2程度戻るとすると、あと100pipsがひとつのメド

 ユーロ/米ドルのチャートを見てみると、2015年2月から3月にかけての下落は、1.13ドル台からスタートして1.04ドル台後半までと、900pips程度の下落となっています。

ユーロ/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足

 今のところ500pips程度戻しているということなので、3分の2程度戻るとすれば、あと100pips程度、つまり1.11ドルあたりがひとつのメドとなってくるかもしれません。

■ユーロ/米ドルは中期的に1.0000ドルを目指す!

 それを越えると、1.13ドル台までの上昇も可能性としては出てくるでしょう。しかし、あくまでもショートカバーであり、それ以上の上昇は可能性としては低いのではないでしょうか?

 個人的には、ユーロ/米ドルは、中期的に1.0000ドルを目指すという見方を崩していませんが、材料難の状況を考えると、短期的にはポジション調整が主体となる相場展開となってくるかもしれません。

【参考記事】
2015年の最有望戦略はユーロ/ドル売り!パリティ(1ユーロ=1ドル)まで下落もあり!(1月8日、今井雅人)
FOMC議事録公表で6月利上げ説に暗雲。猫の目みたいなユーロも最終的には下落(2月19日、今井雅人)
米ドル/円、まず124円台を目指す動きに!ユーロ/米ドルは0.8ドル台も視野に下落か(3月12日、今井雅人)

ユーロ/米ドル 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足

 いずれにしても、次の新しい材料が出てくるまでは、少し難しい相場となりそうです。


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