■利上げムード高まり、米ドル/円は一時、125円台へ!
8月5日(水)のニューヨーク市場で、久しぶりに米ドル/円が125円台にまで米ドル高・円安になる局面がありました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 30分足)
黒田ラインと呼ばれる124.63円近辺をしっかり抜けて、上昇する展開となりました。
日本の機関投資家が下がったら買うという下支えをしている中で、経済指標などにより、米国の利上げムードが高まったことが原因でしたが、これについて、もう少し詳しく解説したいと思います。
■米9月利上げに賛成? 中立? 反対?
まず、8月4日(火)に新聞記事の中で、アトランタ連銀のロックハート総裁が、FOMC(米連邦公開市場委員会)は、利上げの用意が整う位置に「接近しつつある」と述べています。
さらに、彼は利上げを9月から後へ先延ばしすることについて、「自身が納得するには、経済データが顕著に悪化する必要がある」とも述べています。
彼は、今の状態では、9月の利上げには賛成するということです。
さらに翌8月5日(水)のテレビインタビューで、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)理事は、利上げに関して、「時は近づいている」と認めたうえで、9月のFOMCで利上げを支持するかどうかを決める前に、「それまでに発表されるデータを見極めたい」との考えを示しています。
こちらはまだ、中立というところでしょうか。
■最近発表された米経済指標の結果を振り返る
経済指標が重要ということなので、直近、発表された米国の経済指標の結果を少し見ておきます。
まず、8月3日(月)に発表されたISM製造業景況指数7月分ですが、予想53.5に対して52.7と若干弱い結果になっています。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
一方、8月5日(水)に発表されたISM非製造業景況指数7月分は、予想56.2に対して60.3という驚異的な結果となりました。
5日(水)のニューヨーク市場で米長期金利が上昇し、米ドル高になったのは、この結果に反応したということです。

(出所:CQG)
■9月利上げに向けて注目が集まる米雇用統計結果
そういう意味においては、8月7日(金)の米雇用統計の結果は、非常に重要になってくると思います。
今のところ、予想は、失業率が前回と同じ5.3%、非農業部門就業者数は前月比22.5万人の増加となっています。
私、個人的には9月の利上げの可能性は高いと思っていますが、雇用統計の結果が悪ければ一気にムードがしぼんでしまうと思います。
【参考記事】
●まだ資源国通貨を買いと言えないワケは?確実なのは米ドル/円の押し目買い戦略か(7月30日、今井雅人)
メンバーが判断する時期が迫ってきているだけに、これから発表される経済指標に今まで以上に注目が集まるのは、当然でしょう。
こうした指標の結果が良ければ、いよいよ米ドル高の流れができてくるだろうし、そうでなければ、またレンジ相場に逆戻りという流れになってくるのではないでしょうか。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■豪ドルの上昇トレンドはない。英ポンドを買うとおもしろいか
その他の国を見てみると、オーストラリアでは、先日のRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])政策決定会合で、それまで豪ドル高に対する懸念が示され続けてきたことが修正されたために、その日は豪ドルが買い戻されました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 4時間足)
しかし、原油価格がまた下落してきているので、上昇トレンドに転換するということはないと思っています。

(出所:米国FXCM)
英国ですが、米国と同様、利上げムードが高まってきました。
こちらの方が確実かもしれないので、英ポンド/円を買ってみるのは、おもしろいかもしれません。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 日足)
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!でもおなじみの今井雅人さんからのレポートを受けて、ザイFX!が 配信する「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人(月額:5,500円(税込))」。
その日のニュースをコンパクトに解説し、今後の為替の値動きについての予測とともに、今井氏のポジションについても可能な限り配信する、実践型の有料メルマガです。
「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人」には10日間の無料体験期間がありますので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。















![ヒロセ通商[LION FX]](/mwimgs/9/7/-/img_975127cf2c6be2ac1a68a003ef3669c022946.gif)








株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)