世界的な株安が進んで、マーケット全体がリスク回避に傾いている。そして昨日はアジア時間でドル円は121円台から滑り落ちて、120円台に突入。120円台といえば6月下旬から7月上旬にかけて、ギリシャの国民投票や債務不履行で盛り上がったときの押し目である。
あの当時の押し目が120.42だったので、当面はそこが意識されるはずだった。そこを割り込んでくると、年初に付けた115.61が目標となる。年初といえば、原油安で市場全体が大きくリスクオフとなった時のことである。
ドル円の下値攻め、つまりリスクオフが続くかどうかは、株価に依存している。アジア時間は中国株の動向であるし、これは夕方以降になっても変わらない。シンガポールで中国株の先物が取引されているので、この値下がりが止まらないと市場はリスク回避の動きを止めない。
欧州時間だからといってマザーマーケットのドイツ株なども、結局は中国株の動き次第なのである。ドイツ株が大幅安だから・・・などという評論はウソっぱちである。ポジションを持っているプレーヤーが見ているのは中国株だけである。
欧州時間では中国株が一段安し、欧州株も大幅安に。ドイツ株などは1万の大台を割り込んできた。ドル円もスピードはないものの、徐々に値を切り下げてきて、確かに120.40アラウンドではもんだようにも思えたが、後からの崩落を考えると素通りしたのに等しい。そして119円台に突入してきた。
それと時期を合わせるようにして、日経先物もナイトセッションで18000円割れに。ますますリスク回避の底が見えない状態になってきた。私もドル円で勝負しているが、10~15ポイント取っては、またショート作りに励む。これを繰り返して細かく取っていくしかない。
後はニューヨーク勢の参入でも待って、リスク許容度の回復を見るしかないのだが、ニューヨークオープンにかけて株価はますます下げのペースを速めてくる。ドル円も118円台に入り、そして117円台にも入ってきた。株安とともに起こっているので、ドル円の下げ幅の割にはあまりパニック的なものを感じられない。株価の下げ幅に比べると、ドル円の下げ具合は物足りなく見えてしまうからだ。
ダウ平均はマイナスの1000ポイントとかになっている。私が場中で見た中では、2000年4月にあったと思われるくらいだ。その時は翌朝にはほとんどの下げを取り戻していたので、前日比では大した変化もなくて、ニュースにもならなかった。はたして今回はポジション調整が一巡したら、また元のレベルに戻るのか。ドル円の120円とかまで戻す力は残っているのか。
米国株は22時半から取引が始まるが、そのオープン直前が最も安い局面を迎えることとなった。日経先物は東京クローズから1500円以上も下落し、17160円までつけている。そしてドル円も116円台に到達。結果的ではあるが、115円台が今年の最安値ということもあり、いちおうのサポートになったという形となった。
その時点が米国株の安値だったということは、後は上がる一方だ。だから米国株の日足は大きな陽線となった。なんとも恐ろしい。そして株価が戻った分だけ、ドルも下落がやんだ。ドル円もユーロドルもドルの安値からほぼ200ポイントも切り返してニューヨーククローズを迎えた。
118円台でアジア時間が始まったドル円だが、120円台まで戻してきている。これもひとえに株価の復調が顕著になってきたからだ。よくもここまで戻ってきたなあ、という感じもあるが、ここからさらなる戻りは厳しいと見なければならないだろう。それだけ昨日の下げによるマーケットのダメージは、大きいものだからである。
日本時間 15時30分
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