12月FOMCでの利下げ確率上昇で米ドル売りの流れ
みなさん、こんにちは。
今週(12月1日~)の「FX&株 今週の作戦会議」でもご紹介させていただきましたが、米ドル/円はじわじわと値を下げています。
一時、154.67円まで下落。

(出所:TradingView)
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は押し目買い徹底から、今月は戻り売り! 介入警戒感が高まる中、今月は米利下げ、日銀利上げの公算大で。NZドル/米ドルは利下げサイクル後退で押し目買い(12月1日、西原宏一&叶内文子)
その要因のひとつが米国の利下げ予測の高まり。
本稿執筆時点のOIS(Overnight Index Swap、翌日物金利スワップ)によれば、米国利下げ織り込み度は93%まで上がってきました。
つまり、米国では12月10日(水)に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げがほぼ確実という流れになっており、米金利の動向から、主要通貨に対して米ドル売りの流れとなっています。
日銀の0.25%利上げをマーケットはほぼフルに織り込む
一方、12月19日(金)に開催される日銀会合の利上げ見通しですが、現時点でのOISは80%まで上がっており、これはマーケットが0.25%の利上げをほぼフルに織り込みつつあることを意味します。
マーケットの織り込み度が高まると、混乱を避けるため日銀が実際利上げを実施することも多いため、個人的には19日に0.25%の利上げされる公算は極めて高いと考えています。
この背景には、当局が「さすがに今の円安はまずいかもしれない」という危機感を拡大させていることがあって、円安を止めるために日銀の利上げを受け入れるのではないかと想定しています。
これが、米ドル/円の上値を抑えています。
結果、今月(12月)はFOMCが利下げ、日銀が利上げといった公算が高まってきたため、日米金利差縮小期待から米ドル/円は戻り売りスタンス。

(出所:TradingView)
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季節性要因では12月は米ドルにとって最悪の月
一方、米ドル/円に限らず、今月(12月)に入ってからの米ドルは総じて軟調に推移しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
まず、12月の季節的要因を抑えておきましょう。
ドイツ銀行のマクロストラテジスト、ティム・ベイカー氏は、過去10年を振り返ると、12月は「米ドルにとって群を抜いて最悪の月だ」とブルームバーグが報じています。
同氏によれば、「年間を通じて積み上げた他の米国資産での利益を調整するため、トレーダーが米ドルを売る傾向がある」ためだとコメントしています。
次期FRB議長の有力候補にハト派のハセットNEC委員長が浮上
もうひとつの要因が次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長の人選。
12月2日(火)、トランプ米大統領はホワイトハウスで開いた閣議で「FRB新議長の人選を、恐らく来年早々に発表する」と発言。「最終的に1人に絞った」ともコメントしています。選考過程を統括するベッセント財務長官も、クリスマス前後に公表される可能性があると語っていました。
事情に詳しい関係者は先週、一部メディアに対して、ハセットNEC(米国家経済会議)委員長が次期FRB議長の最有力候補に浮上しているとコメントしています。
トランプ氏は予想外の人事や政策を決めることで知られており、正式発表されるまで指名は確定とは言えません。
ただ、マーケットの憶測でもハセット委員長がFRBの次期議長に指名される可能性が高いとしていますので、ハセット氏が選ばれる可能性は高いのでしょう。
そのハセット氏は、極めてハト派で有名な方なので、これが米ドルの下押し要因になり得ると想定しています。
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米ドル/円はいったん調整局面入り、ユーロ/米ドルは押し目買い
米ドル安が鮮明となってきたのが、ユーロ/米ドルです。
今年(2025年)のユーロ/米ドルは2月に安値をつけた後、9月17日に1.1919ドルの高値に到達。この間、1700pips強急騰したため、その後は3カ月弱、調整局面を演じていました。
しかし、今月(12月)になって前述のように米ドル安センチメントが色濃くなると、ユーロ/米ドルも米ドル安トレンドに回帰。再び1.1900ドルに向けて上昇を再開しています。

(出所:TradingView)
日銀の利上げの可能性の高まりもあり、米ドル/円はいったん調整局面入り。
そのため、過去6カ月徹底的に押し目買いをしていた米ドル/円ですが、今月(12月)は戻り売り。
そして、過去3カ月調整を続けていたユーロドルも上昇再開。1.19ドル台を目指しユーロ/米ドルも押し目買いスタンスが良さそうです。
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