昨日は中国が軍事パレードのため、市場がお休み。だから中国株の動向がわからない。つまり動かないのだ。それを良いことに、アジア時間では日本人がリスクテークで先行した。外部要因で悪い材料が出てくる心配が少ないという理由だろう。
しかし経済のファンダメンタルズを無視した行動は、後がついてこない。東京時間のランチタイム以降は、株は利食い売りにさらされた。そしてドル円やユーロ円も次第に目先の重さを加えていく。
欧州序盤ではドル円は120円台の前半。これは120.70あたりまで上値攻めをした後に垂れてきたところだ。ユーロドルはあまり動きが見られないが、その分だけクロス円が下がってきている。
欧州時間での注目は、ECBの金融政策だった。金融政策として変わったことをするわけがないのは市場のコンセンサス通りなのだが、中国株や原油安によってマーケットが動揺をしているので、何らかの強いメッセージが表出されるかもしれないと期待されたわけだ。
そしてドラギ総裁の発言内容も、どちらかというと暗いものに終始した。2015年と2016年の成長率とインフレ率を引き下げて、追加緩和の必要性も示唆した。それで為替相場ではユーロ売りがかさんで、それがクロス円の下落をもたらした。ユーロの緩和期待だけが強まった格好で、ユーロ円の下落とともに市場全体のリスク許容度が低下。
私も素直にユーロ売りに励めばよいのに、最近はドル円に特化してしまっているので、何となくドル円のほうが手が出やすかった。リスク回避の動きも強まるだろうと考えて、ドル円をショートにしてみた。
すでに119円台に入っていたので、決して良いコストではない。結果的には米国株が上げ幅を拡大してきた局面で損切りさせられることとなった。欧州の緩和姿勢は確かに金融相場的には株価にとって好材料なのである。
さて今晩は雇用統計である。就業者数の予想は21万人から22万の増加がコンセンサス。先日のADPの民間調査では悪かったので、あまり良くなくても市場は驚かないだろう。今回は9月利上げを判断するための最後の重要指標とされている。だから雇用統計の結果が良かった場合のほうが心配される。
これで既定路線通りに年内利上げに一歩を踏み出せることになるからだ。同じ利上げをするならば、ペースのことも考慮すると9月に第一弾の利上げをしてしまったほうがよい。そうなると足腰の弱っている株価などリスク性の高い市場を直撃することになる。だから今回は特別に、雇用統計の結果が良かったら、しばらく様子見してからドル円をショートに振っていきたいと考えている。
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