トランプ大統領来日で焦点は日米首脳会談へ
高市政権が好評だ。各社が発表する支持率は軒並み高い。産経・FNN75.4%、日経・テレ東74%、朝日68%、毎日65%、ANN58.7%。岸田政権(60%)、石破政権(50%)発足時より高く、この高さは菅義偉政権や第1次安倍政権以来だ。積極的な経済対策への期待が支持の大きな背景だ。
マーケットは「高市トレード」と称し、株価は好調、日経平均は5万円の大台に乗せた。米ドル/円相場も153円台を示現している。

(出所:TradingView)

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しかし、米ドル/円相場の上昇幅は、日経平均の急騰を考えると物足りない。その背景にあるのは、トランプ大統領の訪日だろう。為替市場における「高市トレード」の最大のリスクは、トランプ政権だ。トランプ政権は決して円安を歓迎しない。
トランプ大統領は10月27~29日の日程で訪日となっているが、今回は滞在期間が長い。そしてベッセント財務長官も同行する。
防衛費増額、ロシア産LNG輸入停止、レアアース調達の問題、対米5500億ドル投資等々、さまざまなことが議論されることになるが、おそらく為替も議論になっただろう。ベッセント財務長官と片山財務相の会談は10月27日(火)に開催された。
ベッセント財務長官はこのところ、「水準についてはコメントしない」としつつも「日銀が適切に金融政策を運営し続ければ、円相場も適正な水準に落ち着くだろう」と発言しています。その方針に変わりはないだろう。
会談後に何らかの発表はあるだろうが、本当に何が話し合われたのかは、わからないケースも多い。会談後の片山財務相のコメント、その時の表情、そして10月30日(木)に行われる日銀金融政策決定会合後の植田総裁会見にそれは滲み出るかもしれない。
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日銀会合では植田総裁の主張の変化に注目
ベッセント財務長官は、日銀の金融政策が利上げ方向に変更されることで、過度な円安が修正されるという道筋を描いている。もちろん、他国の金融政策に口を出すことは「ご法度」だが、相手はトランプ政権だ、何が飛び出すかはわからない。
このところの植田総裁の発言を聞く限りにおいては、近々日銀が利上げするとは思われない。利上げは来年(2026年)1月ぐらいがマーケットのコンセンサスだろうか。高いインフレ率を考えれば、10月30日(木)に利上げしても不思議ではないが、日銀総裁・副総裁の3人は慎重な姿勢を崩さない。
急に金融政策を変えるのであれば、事前に日経新聞等で「リーク記事」が流れるだろう。そこに注意したい。日経新聞の場合、午前2時に朝刊早刷りの速報が流れるので、10月29日、30日のその時間には警戒したい。
日銀の金融政策に変化がなく、そして会見においても植田総裁の主張に大きな変化がなければ、その時は為替市場でも「高市トレード」が本格化する可能性はある。

(出所:TradingView)
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FOMCはパウエル議長が12月利下げ示唆すれば米ドル売りへ
10月29日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)政策発表があるが、0.25%の利下げを市場は完全に織り込んでいる。
米政府閉鎖により、米経済指標発表が滞っており、判断材料が少ないが、24日に発表された米CPIは市場の予想を若干下回り、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げの障害になるようなものではなかった。
FOMC後の会見で、パウエル議長が12月の利下げを示唆するのかどうか、もしはっきりと利下げを示唆するようであれば、米ドルには売り圧力がかかるだろう。

FOMC後の会見ではっきりと利下げを示唆するようであれば、米ドル売り圧力がかかるだろう(C)Bloomberg/Getty Images News
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米ドル/円の動きは日銀の動向次第
日米金利差が縮小しつつあるのに、なぜ円高にならないのか。
よく聞かれる質問だが、実質金利差で見るとあまり金利差は縮小していない。高い日本のインフレ率に日銀の引き締めが追いついておらず、3%であるインフレ率に対し、政策金利は0.5%であり、実質金利が大幅にマイナスである状況に変化はない。
米ドル/円相場は、日銀がインフレに対応するかどうかだ。利上げを先延ばしするならば、米国の圧力も関係なく円安が続くだろう。利上げすれば、円高方向への動きも出てくる可能性がある。

(出所:TradingView)
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