日経平均は米中合意観測や米利下げ観測で5万円台乗せ! スイスフラン/円は史上最高値、ユーロ/円は年初来高値更新
西原宏一(以下、トレーダー西原) 叶内文子(以下、MC叶内) みなさん、こんにちは。
トレーダー西原 叶内さん、今日もよろしくお願いします。ところで、MLBのワールドシリーズはご覧になっていますか?
10月26日(日)の山本投手のピッチングは凄かったです。2試合連続の完投勝利。MLBの分業制の概念を変えてしまいそうです。
MC叶内 私はライブではなくダイジェストで見ただけなのですが、凄かったみたいですね。大谷選手もそうですが、山本投手もMLBの常識を変えてしまいそうで、本当に素晴らしかったですね。
トレーダー西原 日本の相場も高市内閣の誕生により大きく変わりそうですね。相場の大きな変化を楽しみながらトレードしていきたいですね。
MC叶内 本当ですね。さて、今週(10月27日~)は月末です。FOMC(米連邦公開市場委員会)、そして日銀会合(日銀金融政策決定会合)とイベントがてんこ盛りです。
トレーダー西原 そしてトランプ大統領の訪日も控えており、高市総理の対応に注目ですね。
それでは叶内さん、先週(10月20日~)の株の振り返りからお願いします。
MC叶内 はい、よろしくお願いします。
日経平均は先週末比1717円(+3.61%)高の4万9299円と急反発しました。週明け10月20日(月)に自民党と日本維新の会が連立を組むと伝わり、高市早苗氏が首相になる可能性が高まったとして1600円超の上昇を見せました。
実際に指名されて高市政権が発足した翌10月21日(火)朝には5万円に接近。先物は5万円にワンタッチしましたが、いったん出尽くし感も見られました。
10月23日(木)にはトランプ政権が米国製ソフトウェアを使用した製品の中国向け輸出の制限を検討していると伝わり急落するなど、その後は海外要因での一進一退となりました。
米国株も10月23日(木)までは米中首脳会談をめぐる発言や貿易問題、対ロシア政策などで売られる場面があったものの、10月24日(金)に大幅上昇しました。
朝方発表の9月CPI(消費者物価指数)が予想を下回り、今週のFOMCでの利下げ期待が正当化され、さらに12月の追加利下げも織り込む動きとなっています。S&P500は10月8日につけた最高値を更新。NYダウ、ナスダック総合指数も最高値を更新しています。週間での上昇率はS&P500が1.92%、NYダウは2.20%、ナスダック総合指数は2.31%でいずれも続伸です。
なお、週末の米中協議でのレアアース規制延期などが伝わり、週明けの日経平均は初の5万円台乗せとなっています。

(出所:TradingView)
為替市場はいかがでしたか。
トレーダー西原 先週の為替市場は円安継続。
週初は高市総理誕生への期待から、じわじわと円安へ。そして「決断と前進」の高市内閣には「責任ある積極財政派」が次々と登用されていることから、週末の金曜日(10月24日)も米ドル/円は152円台後半で引けています。
ヘッジファンドも、高市内閣が積極財政派を重要閣僚に起用している点に注目しています。その積極財政派を確認してみましょう。
(1)城内実経済相
日本の成長戦略を担うことになります。積極財政派で、2021年の総裁選から高市氏を支援。高市首相と政治信条が近く、積極財政を主張する論客として有名です。外務官僚時代にはドイツの日本大使館に勤務し、当時の首相のドイツ語通訳も担当。2005年には郵政民営化に反対し「刺客」を立てられて落選も経験しています。その刺客として立てられたのは、次の片山さつき氏です。
(2)片山さつき財務相
総裁選の推薦人。補助金見直しを担当。以前の片山氏は緊縮財政派でしたが、高市総裁の下で仕事をするにあたり、数年前から積極財政に転換したと言われています。日経新聞も彼女を積極財政派と称しています。
(3)木原稔官房長官
積極財政派。高市氏が党成長戦略本部長だった時代からの腹心。
(4)尾崎正直官房副長官
積極財政派。元財務省出身で、高知県知事を務めた後、積極財政議連のメンバー。
これ以外にも注目の人事は多数ありますが、ヘッジファンドが注目する積極財政派は前述のとおりでしょう。彼らがどれだけ積極財政を推進できるのかに注目が集まっています。結果、円安が進行。
当コラム注目の最強通貨スイスフランは対円で先週も一時192.40円まで続伸し、史上最高値を更新。同じ欧州通貨のユーロも対円で年初来高値(177.94円)を抜き、一時178.14円まで続伸しています。

(出所:TradingView)

(出所:TradingView)
今週はトランプ大統領の来日、FOMC、そして日銀会合とイベントが多数です。
叶内さん、今週の為替展望の前に、今週のイベントと株の注目点をお願いします。
ユーロ/円、日経平均は押し目買い、米ドル/円は辛抱強く押し目待ち
MC叶内 まずは10月28日(火)~29日(水)のFOMC。続いて10月29日(水)~30日(木)に日銀会合。ECB(欧州中央銀行)は10月30日(木)、カナダは10月29日(水)に政策金利発表です。
そして決算発表。マグニフィセントセブン(※)のうち5社がこの週に集中しています。10月29日(水)にメタ・プラットフォームズ、アルファベット、マイクロソフト。10月30日(木)にアップルとアマゾン。いずれも取引終了後の発表です。AI関連への設備投資が続くのか、そしてそれは利益に結び付くのか、世界中の注目が集まります。
(※マグニフィセントセブンとは、米株式市場を代表するテクノロジー企業であるアルファベット、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアの7社を指す)
国内でも10月27日(月)にキヤノン、10月29日(水)にキーエンス、ディスコ、NEC、10月30日(木)に日立、富士通、10月31日(金)に東京エレクトロン、ファナックなど重要どころが並びます。
なかでも日経平均を左右するものとして市場関係者の注目度が高いのは、10月28日(火)発表のアドバンテストです。株価は3カ月前の前回決算発表から約65%上昇しています。
政治関連では、10月30日(木)午前に行われる米中首脳会談で、どういったメッセージが打ち出されるのかを慎重に見守っています。10月28日(火)の日米首脳会談も、日本株の物色動向に手がかりを与えてくれそうです。
為替市場はいかがですか?
トレーダー西原 まず本日(日本時間10月27日)早朝に米中交渉が好転したニュースが出て、日経平均が5万円台に乗せています。
ベッセント米財務長官は、トランプ氏による中国製品への100%関税の警告は「事実上、撤回された」とコメント。中国が大豆を大規模に購入するほか、レアアース(希土類)に関する包括的な規制の実施を延期する見通しだとしています。
米国と中国は2日間にわたる貿易交渉の結果、複数の対立点で歩み寄った模様です。
トランプ米大統領と習近平国家主席による最終合意、そして世界市場を揺さぶってきた貿易摩擦の緩和に向けた道筋が整ったように見えます。首脳会談は10月30日(木)に開催予定です。
中国側の交渉担当者によれば、両国は輸出規制やフェンタニル問題、船舶入港料などを巡り、暫定的なコンセンサスに達したとのこと。
そして今週は中銀ウィークです。FOMCは10月28日(火)~29日(水)の会合で0.25%の利下げを決定するとの見方が、金利先物市場でほぼ100%織り込まれています。先週末に発表された9月の米CPIが予想を下回る伸びにとどまったことが要因です。
一部報道では、利下げに加えてバランスシート縮小の停止を決めるとの観測もあります。金利先物市場では12月の利下げもほぼ織り込みつつあります。
一方、日銀は10月29日(水)~30日(木)の会合で政策金利の維持がコンセンサス。
前述のように米中合意観測やFOMCの利下げ期待もあり、株は続伸。日経平均は5万円台に乗せてきています。
クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も続伸。ユーロ円は年初来高値を更新し、180円に向けて続伸中。当コラム注目のスイスフラン/円は200円まであと8円弱までのレベルまで値を上げてきました。
米ドル/円も底堅いのですが、米金利の低下懸念から伸びは緩慢。トランプ大統領の訪日も控えており、米ドル/円は急騰するより、押し目を丁寧に拾いたいところ。

(出所:TradingView)
ユーロ/円、日経平均を押し目買い、米ドル/円は辛抱強く押し目待ちの方針です。
トレーダー西原 MC叶内 それでは、株と為替のトレードを楽しんでいきましょう!
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