■ファンダ、テクニカルとも売りを示唆するユーロ
今朝(12月5日)のイタリア国民投票は否決。
早朝、ユーロが急落、米ドル/円も113円割れの場面がありましたが、何事もなかったかのように113~114円台へ戻しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 30分足)
方向としては「ユーロ解体」に向かっていくのでしょうか?
イタリア国民投票はどちらに転んでもリスクが高まると思っていましたので、ここまでは予想どおりの展開。
【参考記事】
●米国の感謝祭明けで相場のムード一変!? 米ドル/円はイベント次第も調整の1週間か(11月28日、西原宏一&大橋ひろこ)
否決ということでユーロ離脱の国民投票実施を要求しているポピュリズム政党の「5つ星運動」が勢力を増してくるのでしょう。
テクニカル分析面からも、注目していたユーロ/米ドルの超長期トレンドラインを割り込んで11月が終了。大きな下落の始まる可能性があるとみています。
【参考記事】
●日銀の「指値オペ」、その真の意味とは? ユーロ/米ドルは超長期サポート割れ寸前(11月22日、西原宏一)

(出所:CQG)
超長期トレンドラインの起点となった安値後のもみ合い期間が20カ月。
足もとのもみ合い期間も20カ月を経過して、そろそろ動き出しそうな時期ですよね。
■8日のECB理事会では資産買い入れの期間延長へ
ただし、ユーロ/米ドルは1.05ドルに大きなオプション(※)が設定されています。
期限は今週、12月9日(金)。それまでは1.05ドルから大きく離れることはなさそうですが、昨年(2015年)安値の1.0470ドル、さらにはパリティ(=1.0000ドル)を目指していく可能性は高まっています。
(※編集部注:金融市場における「オプション」とは、ある特定の期日に、あらかじめ決められた価格で「買う権利」あるいは「売る権利」のこと)

(出所:CQG)
12月8日(木)にはECB(欧州中央銀行)理事会が開催されますよね。
テーパリング(※)か、資産買い入れの延長か、ドラギ総裁は12月に議論すると言っていましたが、テーパリングはないでしょうね。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
エコノミストの予想でもテーパリングは極めて少数派。
資産買い入れの期間延長がコンセンサスとなっていますので、ファンダメンタルズから見てもユーロ/米ドルは売りがいいのだろうと思います。
(次ページでは投機筋の円ポジションや米ドル/円の見通しの話題が…)
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