■OPEC総会、米雇用統計、イタリア国民投票
今週(11月28日~)は30日(水)までウィーンでOPEC(石油輸出国機構)総会が開催され、12月2日(金)が米雇用統計。
週末の12月4日(日)にはイタリアで国民投票と、イベントが続きます。

米雇用統計は12月2日(金)22時30分の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 米国主要経済指標の推移)
本日(11月28日)も朝から米ドル/円は調整していますね。先週、11月24日(木)はサンクスギビングデーのため、アメリカが休場でした。
休場明けにムードが一変するのはよくあることで、これがどこまで調整するのか、イベント次第な部分もあります。OPECについてはどう見ています?
原油関連の会合は事前の予測が難しいんですよね。9月のときも増産凍結すら難しいと言われていたのに、まさかの減産。
【参考記事】
●日銀決定は実質ヘリマネとの見方ジワリ。異様に底堅いドル/円の100円台は買いか(10月3日、西原宏一&大橋ひろこ)
先週末に一部、「減産なし」を織り込みにいく動きが出てWTI原油価格は下げましたが、まだ買い玉は残っています。市場の期待への満額回答は難しそうな雲行きですから、手仕舞いが出ればさらに下がるでしょう。
しかし、9月のようなサプライズがあれば、上昇の可能性も否定できません。どちらにしても大きな値動きになる可能性がありそうです。

(出所:CQG)
それから「サウジアラビアがOPEC会合を欠席」との報道も出ていますが、これは11月28日(月)の準備会合を欠席するということで、30日(水)の本会合には出席するはずです。
■イタリアでは可決・否決ともにポピュリズム政党躍進のリスク
週末、12月4日(日)のイタリア国民投票はいかがですか?
可決、否決で為替がどう動くのか、コンセンサスといえるような数字も固まっておらず難しいですね。
国民投票が否決されればレンツィ首相は辞任を示唆しています。政治的混乱は避けられず、来年にも総選挙の可能性が出てくる。ところが可決の場合でも安泰ではない。
可決されれば上院の権限が大幅に縮小され、下院重視になります。下院の選挙制度はポピュリズム政党「5つ星運動」に有利なため、やはり次回の選挙で政権を握る可能性が高まるんです。
どっちみちリスクだということですね。メディアではまだ取り上げられることが少ないですが、来週、12月5日(月)の動きには注意したいですね。
投票結果が為替市場に影響を及ぼすかどうかはともかく、マーケットがまだ織り込んでいないことはたしかです。
ただ、もしもユーロ/米ドルが急落したとき、リスクオフで米ドル/円が下がるのか、米ドル高で上がるかといえば、どちらかと言えば後者のような気がします。
■米ドル/円は調整の1週間か
米大統領選以降、米ドル/円は101.20円から113.90円まで急ピッチな上昇でした。これは1995年以来のピッチだそうです。
サマーズと榊原さんがバズーカ介入したときですね。今回の上昇、時間的にも2週間以上、上げ続けてきましたし、フィボナッチの50%レベルも達成。
【参考記事】
●日銀の「指値オペ」、その真の意味とは? ユーロ/米ドルは超長期サポート割れ寸前(11月22日、西原宏一)

(出所:CQG)
皮肉めいた言い方になってしまいますが、米ドル/円に対して弱気だったアナリストも強気に転換し始めて、今週(11月28日~)は調整の週なのかなというイメージ。
メルマガ「FXトレード戦略指令!」で既報のとおり、9月末の100円台前半から続けていた2カ月間の米ドル/円ロングはいったんスクウェアにしましたが、上昇トレンド自体は変わらないと見ています。
(次ページでは米ドル/円の今後の見通しや戦略についての話題が…)
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