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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

米国の感謝祭明けで相場のムード一変!?
米ドル/円はイベント次第も調整の1週間か

2016年11月28日(月)17:55公開 (2016年11月28日(月)17:55更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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 ■OPEC総会、米雇用統計、イタリア国民投票

今週(11月28日~)は30日(水)までウィーンでOPEC(石油輸出国機構)総会が開催され、12月2日(金)が米雇用統計。

 

週末の12月4日(日)にはイタリアで国民投票と、イベントが続きます。

米雇用統計推移

米雇用統計は12月2日(金)22時30分の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 米国主要経済指標の推移

本日(11月28日)も朝から米ドル/円は調整していますね。先週、11月24日(木)はサンクスギビングデーのため、アメリカが休場でした。


休場明けにムードが一変するのはよくあることで、これがどこまで調整するのか、イベント次第な部分もあります。OPECについてはどう見ています?

原油関連の会合は事前の予測が難しいんですよね。9月のときも増産凍結すら難しいと言われていたのに、まさかの減産。

【参考記事】
日銀決定は実質ヘリマネとの見方ジワリ。異様に底堅いドル/円の100円台は買いか(10月3日、西原宏一&大橋ひろこ)

先週末に一部、「減産なし」を織り込みにいく動きが出てWTI原油価格は下げましたが、まだ買い玉は残っています。市場の期待への満額回答は難しそうな雲行きですから、手仕舞いが出ればさらに下がるでしょう。


しかし、9月のようなサプライズがあれば、上昇の可能性も否定できません。どちらにしても大きな値動きになる可能性がありそうです。

WTI原油先物 4時間足
WTI原油先物 4時間足

(出所:CQG)

それから「サウジアラビアがOPEC会合を欠席」との報道も出ていますが、これは11月28日(月)の準備会合を欠席するということで、30日(水)の本会合には出席するはずです。


■イタリアでは可決・否決ともにポピュリズム政党躍進のリスク

週末、12月4日(日)のイタリア国民投票はいかがですか?

可決、否決で為替がどう動くのか、コンセンサスといえるような数字も固まっておらず難しいですね。


国民投票が否決されればレンツィ首相は辞任を示唆しています。政治的混乱は避けられず、来年にも総選挙の可能性が出てくる。ところが可決の場合でも安泰ではない。


可決されれば上院の権限が大幅に縮小され、下院重視になります。下院の選挙制度はポピュリズム政党「5つ星運動」に有利なため、やはり次回の選挙で政権を握る可能性が高まるんです。

 

どっちみちリスクだということですね。メディアではまだ取り上げられることが少ないですが、来週、12月5日(月)の動きには注意したいですね。

 

投票結果が為替市場に影響を及ぼすかどうかはともかく、マーケットがまだ織り込んでいないことはたしかです。


ただ、もしもユーロ/米ドルが急落したとき、リスクオフで米ドル/円が下がるのか、米ドル高で上がるかといえば、どちらかと言えば後者のような気がします。


■米ドル/円は調整の1週間か

米大統領選以降、米ドル/円は101.20円から113.90円まで急ピッチな上昇でした。これは1995年以来のピッチだそうです。

サマーズと榊原さんがバズーカ介入したときですね。今回の上昇、時間的にも2週間以上、上げ続けてきましたし、フィボナッチの50%レベルも達成。

【参考記事】
日銀の「指値オペ」、その真の意味とは? ユーロ/米ドルは超長期サポート割れ寸前(11月22日、西原宏一)

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(出所:CQG)

皮肉めいた言い方になってしまいますが、米ドル/円に対して弱気だったアナリストも強気に転換し始めて、今週(11月28日~)は調整の週なのかなというイメージ。


メルマガ「FXトレード戦略指令!」で既報のとおり、9月末の100円台前半から続けていた2カ月間の米ドル/円ロングはいったんスクウェアにしましたが、上昇トレンド自体は変わらないと見ています。

■米国債利回り低下するなら米ドル/円の調整も深く…

今回の特徴は米国債利回り上昇への感応度がトランプラリー前よりも高まっていること。


今回の米ドル/円相場上昇は日米金利差の拡大に伴って上げてきたので、逆に米国債利回りが低下してくると調整も深くなりそう。

米長期金利(米10年物国債の利回り) 日足
米長期金利(米10年債利回り) 日足

(出所:CQG)

テクニカル分析面では、ここまで1時間足の75移動平均線に沿って上がっていたんですが、11月28日(月)午前中に割っています。

米ドル/円 1時間足
米ドル/円 1時間足

(出所:CQG)

次の押し目の目安としては、時間軸を上げて、4時間足の一目均衡表・雲や75移動平均線を参考にしていくのもいいかもしれませんね。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足

(出所:CQG)

今回のトランプ・ラリーの上昇幅にフィボナッチをあてると38.2%押しが109.10円あたり。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:CQG)

ここまで押すことはないと思いますが、大橋さんが言うように4時間足のテクニカルなどを見ながら、109円割れくらいまでを想定した資金管理で買い下がっていくのがよさそうですね。


■中期的な買いポジションを構築する週に

OPEC総会、米雇用統計、イタリア国民投票と、不透明感の高いイベントが続き、今週(11月28日~)は週を通して手仕舞いの動きが強まりそうですね。

少し気が早いですが、来年(2017年)のメイントレンドは米ドル/円の上昇になりそうな予感もあります。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(出所:CQG)

ただ、トレンドフォローとはいえ、米ドル/円は113円台の高値で買ってしまうと儲けにくい。


今週(11月28日~)は押し目を慎重に判断しながら、少しずつ中期的なポジションを仕込んでいきたいですね。

(構成/ミドルマン・高城泰)

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