■トランプの米ドル高牽制発言はまだ先か
日本時間1月20日(金)深夜26時、いよいよトランプさんが米大統領に就任します。
就任演説で何を話すのか、市場がどう反応するのかが、今週(1月16日~)最大の焦点ですね。
米ドル高への警戒感を示すのでは…との見方もありますが……。

1月20日(金)に米大統領に就任するトランプ氏。トランプ大統領は就任演説で何を話すのか、そして、市場の反応は… (C)Scott Olson/Getty Images
アメリカの方向性は利上げ、減税、大規模財政出動といずれも米ドル高に帰結する政策ばかり。
【参考記事】
●2017年のドル/円は調整あっても130円へ! リスクオフの円高が継続しないワケとは?(2016年12月22日、西原宏一)
これから政策を実行していこうという段階で米ドル高を牽制するというのも矛盾ですよね。
いずれ米ドル高牽制発言が出てくる可能性はありますが、今の段階では考えづらい。米ドル高のデメリットに対しては「国境税」で対応していくのでしょう。
【参考記事】
●トランプ氏の記者会見は期待はずれだが、国境税に注目! 中期ドル買いの好機到来(1月12日、西原宏一)
トランプさんの性格からすると今後、政策が思うように進まなくなったときに「悪いのは米ドル高だ!」と責任転嫁の材料に使うのかもしれないですね。
ただ、ようやく米大統領就任という段階の「今」じゃない。それはたぶん、かなり先のリスクじゃないかと思います。
今週(1月16日~)は世界の首脳や経済界の要人が集結する「ダボス会議」が始まるのですが、トランプ政権は代表を派遣しないようです。
■習近平が参加、トランプ政権は欠席するダボス会議
一方で中国の習近平は中国の国家主席として初めてダボス会議に参加し、講演します。
ダボス会議といえば、政治経済のグローバル化をめざす人たちが集結する場。
そこへ中国首脳が参加し、アメリカ首脳が欠席するというのはおもしろい構図ですね。
昨年(2016年)、中国人民元がSDR(IMFが設定した特別引き出し権)に採用されましたから、習近平さんとしては国際社会の一員となったことを誇示したいのでしょうし、中国経済の先行きについての焦りもあるのかもしれないですね。
習近平さんのスピーチがクローズアップされるようなら石炭や鉄鉱石、銅などのコモディティが動く可能性がありそうです。

(出所:Bloomberg)
(次ページではハードブレグジット懸念で下落した英ポンドの話題が…)
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