■NZ中銀は政策金利を据え置き、総裁の発言はハト派的
日米首脳会談を迎えて、方向感なく膠着している主要通貨を横目に、動意をみせてきたのがオセアニア通貨のNZドル。
本日(2月9日)早朝、RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])の金融政策決定会合が行われました。
RBNZは先日、インフレ見通しの上方修正をしていたため、一部利上げの可能性を指摘する参加者もいましたが、ウィーラー総裁のコメントはかなりハト派。
2月9日早朝にNZ中銀は金融政策決定会合を開催。ウィーラー総裁のコメントがかなりのハト派だったため、NZドルは下落した (C)Bloomberg/Getty Images
まず、政策金利はコンセンサスどおり、据え置き。
声明では「インフレ率は目標へと緩やかに回復する」とした上で、「金融政策は今後もかなりの期間、緩和的になる」との見通し。
ウィーラー総裁はインフレ率を目標レンジである1~3%の中央値2%へと回復させようとしているのですが、NZドルの上昇がRBNZの利上げの決断を抑制している形。
NZドル/米ドルは2015年8月に0.6130ドルの安値に到達したあと、じり高で推移。
ただ0.74ドル台を攻めきれず、徐々に上値が重くなってきていました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 月足)
■NZドルは0.7000ドル割れに向けて下落中
しかし今年(2017年)に入り、前述のように一部の市場参加者の間でRBNZの利上げ予測が台頭したことから、再び上昇トレンドが加速するも、今回は0.7400ドルにも届かず反落しました(高値は0.7376ドル)。
そして、本日(2月9日)、RBNZの利上げ予測が後退したため、NZドルは反落。
加えて、マクダーモットRBNZ総裁補佐が「NZドルは高すぎる」と発言したことで、NZドルの下落が鮮明となり、一時0.7200ドルを割り込んでいます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 4時間足)
TDシーケンシャル(※)の日足は、あと1週間ほどで上昇相場の終了を示唆しています。
(※編集部注:「TDシーケンシャル」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)
インフレ見通しが上方修正され、利上げ予測も台頭してきたNZドルですが、そうした予測をRBNZが否定したことから、NZドルは調整を開始し、0.7000ドル割れに向けて下落中。
日米首脳会談に向けて、神経質に動いている米ドル/円に加え、NZドルの動向にも注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)