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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

レジスタンスとサポートの役割転換に注目!
あそこを突破すれば、米ドル買いの好機!

2017年02月24日(金)17:25公開 (2017年02月24日(金)17:25更新)
陳満咲杜

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■ムニューシン氏の発言で米ドルは上昇できず

米ドル全体が重要な分水嶺にさしかかっている。ドルインデックスは一昨日(2月22日)、101.73にて再度頭打ちとなり、2月15日(水)高値と相まって、重要なレジスタンスゾーンを示唆した。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足

(出所:Bloomberg)

 米ドルの頭の重さは、ムニューシン米財務長官の発言が効いたことによるとされる。氏はトランプ政権によるあらゆる政策について、2017年内の効果は限定的と述べ、また、米国が「長期間低金利である可能性」に言及、さらに「米ドル高には一定の問題がある」と話した。

ムニューシン米財務長

ムニューシン氏の発言が、米ドルの上昇を阻んだとされている (C)Bloomberg/Getty Images

 もっとも、ムニューシン氏は強い米ドル政策の維持も表明していたが、建前なのでは…と市場に流された模様。トランプ政権による大型減税や財政出動が想定より遅れる、また、規模が小さくなるのでは…といった推測が出始め、米ドルの反騰を抑制するには十分なインパクトがあった

 ゆえに、2月28日(火)のトランプ大統領の議会演説が一層注目され、政策の中身が問われるわけだ。というのは、市場は「トランプ・ラリー」を経て、その裏付けを求めようとしているからだ。

■FOMC議事録も米ドル反騰を抑える要因に

 その上、2月22日(水)に公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録の一節も、米ドルの反騰を抑え込んでいると思われる。

 「数人のメンバーは、米ドル高が経済を下振れさせるリスクがあるといった見方を示した」と記した同議事録は、2017年1月末のFOMCをまとめたものだから、当時のドルインデックスの水準(1月終値は100.32)に照らして考えると、足元の方が上に位置しているので、米ドルのロング筋にとって気がかりであったことは間違いない。

 このため、議事録が示唆したタカ派基調は、同じく流された模様だ。

■テクニカル的にもレジスタンスゾーンにさしかかっている

 テクニカル上の視点では、やはり、重要なレジスタンスゾーン(色枠で表示)に遭遇しているから、米ドルの反騰が一服してもおかしくない段階にある。

 同レジスタンスゾーンについては、これからのブレイクの有無が重要であることは言うまでもないが、上放れできれば、米ドル高の加速が想定される。反面、ここでの頭打ちが確定される場合、日足において大型「三尊型(※)」の形成が懸念される。

(※編集部注:「三尊型」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。仏像が3体並んでいるように見えるために「三尊型」と呼ばれていて、人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼ぶこともある)

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足

(出所:Bloomberg)

 この意味では、2月2日(木)安値99.23を起点とした反騰が、2017年年初来の反落に対する反動であるいう意味合いが確認されたとしても、メインレジスタンスゾーンを突破できない限り、上昇推進波という性質を確認できずにいる。

 だから、目先なおトレンドレスの状態にあると言っても大した間違いではないと思うが、近々大きなトレンドの推進が見られるだろう。

 何しろ、メインレジスタンスゾーンのブレイクがあれば、2017年年初来高値の更新が確実視されるから、米ドルの急上昇が想定される。

 反面、大型「三尊型」が確認される場合、96の水準を割り込むまで下落波が続くと推測されるから、下落トレンドも鮮明になってこよう。

■週足に見るレジスタンスとサポートの役割転換

 では、どちらにブレイクしていくのだろうか。結論から申し上げると、やはり上放れの公算が高いとみる。週足の状況が、ヒントを与えてくれていると思う。

 ドルインデックスの週足は、2017年年初来の米ドルの反落、また2月初頭の安値打診をもって、重要なサポートゾーンを確認している。

ドルインデックス 週足
ドルインデックス 週足

(出所:Bloomberg)

 同サポートゾーンは、2015年1月、4月、または同11月、12月の高値水準と合致していただけに、テクニカル上で言う「役割の転換」が確認された。このようなケースで、ここから下放れするのはハードルが高いとされる。

 言ってみれば、2015年1月、4月の高値と、同11月、12月の高値をもって「ダブルトップ」の構造を形成していたが、「トランプ・ラリー」で同構造が否定されわけだから、2月2日(木)安値が再び元のレジスタンスゾーンの水準に留まったのは自然の成り行きだった。

 なぜなら、これは2年間かけて形成されてきたレジスタンスゾーンであるからだ。レジスタンスゾーンは、いったんブレイクされると今度はサポートゾーンとして表れるケースが多いから、元レジスタンスの「役割」がサポートに転換されるわけだ。

 注目していただきたいのは、レジスタンスゾーンを形成していたスパンが長ければ長いほど、ブレイクされたあとの「役割の転換」自体の確実性が高いとされること。その上、昨年(2016年)12月安値も同水準に留まっていたことも見逃せない。

 したがって、ファンダメンタルズ上における根本的な変化がない限り、米ドル高の傾向はしばらく続くだろう。となると、米ドルは足元で再度頭が重くなっているが、中段保ち合いという位置づけは妥当で、強気基調を保てると推測される。

■レジスタンスゾーンのブレイクはエントリーの好機!

 その上、目先のレジスタンスは、次なるタイミングを教えてくれている。

 米ドルのロング筋にとって、2月15日(水)、22日(水)高値(≒101.72~101.76)が目先の「ダブルトップ」を形成しているように見えるが、今度これがブレイクされれば、それはエントリーの好機となるだろう。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足

(出所:Bloomberg)

 米ドル高の加速は、こういったレジスタンスゾーンのブレイクによって確認されるわけだから、理論上、ロング筋の出動のみではなく、ショート筋の踏み上げをも意味し、モメンタムの加速が想定されるわけだ。

■ユーロ/米ドルの「逆三尊型」形成の確率は低い

 ドルインデックスと正反対の構造を示すユーロ/米ドルは、一昨日(2月22日)にもっとも重要なサポートゾーンにトライしたのがわかる。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/ドル 日足

(出所:Bloomberg)

 ここから同サポートゾーンを割り込むか、それともサポートされ、反騰していくかが注目されるが、前述の理由から、下放れの公算が高いのではと推測される。言い換えれば、日足における「逆三尊型(※)」の形成は、現時点では確率が低いと思われる。

(※編集部注:「逆三尊型」はチャートのパターンの1つで、「三尊型」と反対に、底を示す典型的な形とされている)

■ユーロ/米ドルでもレジスタンスとサポートの役割転換が

 週足で観察しても、2015年3月、4月安値、そして、同11月安値で形成された「ダブル・ボトム」をいったん割り込んだ以上、ユーロの下落がなお続く公算は高いと思う。

ユーロ/米ドル 週足
ユーロ/米ドル 週足

(出所:Bloomberg)

 実際、昨年(2016年)12月の反騰にしても、2017年1月末までの反騰にしても、かつての重要サポートゾーンに留まり、それによって元のサポートゾーンがレジスタンスゾーンとして「役割転換」を果たしたから、ユーロの上放れを想定するにはハードルが高いと言わざるを得ない。

米ドル/円は最近やや蚊帳の外である。ドルインデックスとの関連性が薄れ、また、トレンドレスの傾向が強いが、112円台の打診をもって調整一服の可能性が高いとみる。このあたりの詳説は、また次回。

 市況はいかに。

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今井雅人