■金曜日には米国で雇用統計も
米ドル/円についてはどうですか?
新年度の買いで1円、2円は上昇する場面があるかもしれません。そこは売りだと考えています。

(出所:Bloomberg)
米利上げから始まった米ドル安の流れは、まだ2週間が経過しただけ。もう少し継続する可能性があるかなと見ています。
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●FOMCきっかけの米ドル安はまだ続く…。市場は英ポンド安期待も、もう少し買い継続(3月27日、西原宏一&大橋ひろこ)
今週末には雇用統計もあります。先月(3月)は直前の水曜日に発表されたADP雇用統計が非常に強い数字だったことから、米ドルが買われる展開になりました。
次回の利上げは6月が濃厚となっていますし、最近は利上げを占う上で経済指標よりもFRB(米連邦準備制度理事会)関係者の発言がカギとなっていますね。
市場が利上げを期待しすぎているなら冷ます発言をするし、織り込みが足りなければ織り込ませるようなことを言う。株式市場を崩さないよう、上手にコントロールしています。
米国株に対しては原油急落をリスク要因とする声もありましたが、WTI原油先物は先週50ドル台を回復。

(出所:Bloomberg)
5月25日(木)にはOPEC(石油輸出国機構)総会が予定されています。そこへ向けて減産合意の延長や追加減産についての観測も出てくると思われます。原油下落に歯止めがかかれば、リスク要因はひとつ消えることになりますね。
■英ポンドは悪材料出尽くしで上昇のターンか
今週の戦略としては米ドル/円の戻り売りがひとつ。
それに、もうひとつ注目したいのが英ポンドです。
イギリスでは先週(3月27日~)、メイ首相がEU離脱を正式に通知。これからBrexit(英国のEU離脱)へ向けた交渉が正式に始まります。
英ポンドの悪材料はいったん出尽くしたように思います。
スコットランド独立へ向けた国民投票の話も出ていますが、Brexitの交渉期間である向こう2年以内の実施はメイ首相が認めないようです。
目先、これ以上の悪材料も想定しづらいですし、チャート的にもいい形となりつつあります。
英ポンド/円は週足で一目均衡表の雲に突っ込むところ。これを上抜けるようだと、大きく上昇しそうですね。

(出所:Bloomberg)
FOMC(米連邦公開市場委員会)以降の米ドル安の流れが続きつつ、それでも米ドル/円は急落しないのならクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は堅調となりそうですし、IMM(国際通貨先物市場)通貨先物ポジションを見ると、英ポンド売りのポジションはまだ積み上がったままですから、ショートカバーによる上昇も期待できる。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
メルマガ「FXトレード戦略指令!」ではすでに配信しましたが、今週は英ポンド/円の上昇に期待したいと思います。
(構成/ミドルマン・高城泰)
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