■ミサイル攻撃でも崩れない110円のマジノ線
4月7日(金)、米軍がシリアへミサイルを発射しました。
米ドル/円は急落しましたが、すぐに反転。4月10日(月)の午前中には111.50円を超えてきています。

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地政学リスクの高まりで事前に売られている中での有事だったため、結果的に「セル・ザ・ファクト」の反対のような形となりましたね。
シリア攻撃直後の米ドル/円の安値は110.14円。米ドル/円の「マジノ線」(※)である110円は本当に固いですね。
(※編集部注:「マジノ線」とは第二次世界大戦前にフランスがドイツとの国境に築いた難攻不落と言われた要塞のこと)

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今回も生保や年金の買いが出ていたようです。
【参考記事】
●米中首脳会談はあの国がリスク要因に!? 悪材料出尽くしの英ポンドは上昇ターンへ!(4月3日、西原宏一&大橋ひろこ)
●ドル/円の上値重いが節目110円も割れず。話題の「忖度」と米ドル買いに関係が…!?(4月6日、西原宏一)
北朝鮮では4月15日(土)が「太陽節」(建国指導者・金日成の誕生日)で、4月25日(火)は朝鮮人民軍創設記念日。
こうしたタイミングを狙って北朝鮮に動きがあるかもしれないですし、米軍の空母カール・ビンソンは朝鮮半島へ向かって航行を開始したそうです。シリアに続いて、北朝鮮での有事も心配ですね。
北朝鮮問題は日本のメディアでも盛んに報道されていますし、市場のセンチメントはよくないですよね。
■シリア攻撃でトランプの求心力は回復へ?
今週(4月10日~)はG7(先進7カ国)外相会合が開催され、4月12日(水)にはティラーソン米国務長官がモスクワを訪問。シリア問題などについてロシアの外相と会談する予定です。
来週の4月18日(火)~19日(水)には、日米経済対話のため、ペンス米副大統領が来日。麻生財務大臣と会談します。こうした米高官の予定を見ると、米軍が何か仕掛けるとしても来週以降かな、という感じがしますね。
一方で、化学兵器を使用したアサド政権に対して躊躇なくミサイルを打ち込んだトランプ大統領の迅速な決断、行動は評価が高いようですね。

シリアに対するトランプ大統領の迅速な決断と行動を評価する向きは多い。求心力が回復すれば、インフラ投資や税制改革の実行にも追い風になる可能性が (C)Pool/Getty Images
オバマケア代替法案の撤回で実行力に疑問符がついていたトランプですが、その評価や求心力が回復してくるかもしれない。
そうなれば、インフラ投資や税制改革の実行にも追い風です。
【参考記事】
●トランポノミクス失速でさらなる米ドル安も。新年度入りで本邦勢がどう動くかがカギに(3月30日、西原宏一)
(次ページでは米ドル/円の見通しや、米国が中国に課した宿題の話題が…)
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