■米ドル/円は早晩3月高値を更新か
米ドル/円に関して、4月14日(金)の本コラムが指摘した米ドルの底打ちの可能性について、なお4つの視点での条件を満たしているので、見通しは維持し、また、早晩3月高値の更新をもって、一段と強気構造を強化していくとみる。
【参考記事】
●トランプ氏の米ドル高牽制発言で、米ドル安終焉!? 米ドル/円は200日線の攻防に注目!(2017年4月14日、陳満咲杜)
ただし、GMMAチャートで見ると、まだ完全にベア(下落)トレンドから離脱しきれていないから、さらなる底練りを経てから、底打ちのサインが出る可能性はある。
(出所:FXブロードネット)
クロス円では、ユーロ/円、英ポンド/円はともに大幅な上昇を果たしているが、GMMA+一目均衡表の視点では、英ポンド/円の方がより堅調な内部構造を示している。
比較してみるとわかるように、GMMAが示す「トビウオ」(短期線グループと長期線グループのゴールデンクロス)のサインの強さ、そして、一目均衡表が示す「三役好転(※)」の度合いの両方で英ポンド/円に軍配が上がる。
(※編集部注:三役好転とは、一目均衡表の買いシグナルとなるパターンのこと。転換線が基準線を上抜け+ローソク足が雲を上抜け+遅行線がローソク足を上抜けた状態)
(出所:FXブロードネット)
(出所:FXブロードネット)
だから、前回のコラムでは英ポンド/円の強気サインに注意しろと喚起していた。先週末時点で(4月21日)、すでに大きく上昇してきていたから、4月14日(金)、4月17日(月)の安値打診が、結果的に「フォールス・ブレイク」のサインと化していることを証左していた。
【参考記事】
●仏大統領選・ルペン候補の支持率が市場を翻弄!? 勝てばユーロ/米ドルはパリティへ!?(2017年4月21日、陳満咲杜)
(出所:FXブロードネット)
要するに、1月安値の更新は一時的なものに留まり、そのあと大きく反騰してきたから、この安値打診は「ダマシ」であったと認定され、かえって切り返しの土台を作ったわけだ。
週明け(4月24日)から、その土台の構築もあって一段高となり、重要なレジスタンスゾーンをブレイクし、ブル(上昇)基調の再確認ができたから、目先の高値トライはむしろ当然の成り行きだとみる。
このあたりのポイントは、4月24日(月)に配信したレポートをもって説明したい。原文は以下のとおり。
(出所:FXトレード・フィナンシャル)
今朝のリスクオンムードでポンド/円は大きく上昇、ギャップを付けてから
142関門手前をトライした。一気にメインレジスタンスゾーンを突破しただけに、1月27日高値144.78へ全幅戻しの可能性に注目しておきたい。
144.78を起点とした下落、2月7日安値138.54を割り込む前に、140.74(1)や140.61(2)にて「ダブル・トップ」に近い形でメインレジスタンスを示し、また下放れが果たした後の切り返しが140.09(3)に制限されたことでメインレジスタンスを強化、その後の安値更新につながった。従って、140.09~140.75といった抵抗ゾーンが突破されない限り、ポンド/円の上昇波が制限される可能性が大きかった。
しかし、フランス選挙に進展につれ、今朝同メインレジスタンスゾーンを一気に上回り、足許では寧ろサポートゾーンとして化しているように見える。「ギャップ」自体がサポートゾーンと合致しているだけに、これから完全に埋められず、また再上昇してトレンドの強さを示唆しよう。この場合、144.78までの上昇、一直線に行かなくても、基本的には大した抵抗が存在しないため、同高値はロング筋の視野に入ってこよう。
GMMAとの整合性から見ても、140.09~140.74といった抵抗ゾーンが強かったが、一気に上放れした以上、日足における「トビウオ」、すなわちゴールデンクロスのサインを点灯する蓋然性が高まる。
英ポンド/円はユーロ/円ほど重要なクロス円ではないが、英ポンド/米ドルの堅調もあって、英ポンド/円は当面高値トライしやすいとみる。
また、ユーロ/円、英ポンド/円の大幅な切り返しが、米ドル/円の底打ちと相俟って、円高傾向の終焉を示唆するサインとみるなら、下記の筆者の一句にうなずいていただけるのではないだろうか。
※窓風は「ギャップ」とかけたもの。また、「堤」は4月25日の大陽線が4月24日のローソク足を包んだことを示す。
市況は如何に。
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