■イベント集中の8日を通過するも……
先週(6月5日~)注目されたのは8日(木)に集中した米英欧のイベントでした。
イギリスの総選挙では保守党が過半数を獲得できず「ハング・パーラメント」(宙吊り議会)となり英ポンドが下落したものの、コミー前FBI(米連邦捜査局)長官の証言やECB(欧州中央銀行)理事会では期待したほどの動きとはなりませんでしたね。
【参考記事】
●圧勝するつもりの選挙で過半数割れ!? 英総選挙で保守党敗北、英ポンドは急落!

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 4時間足)
ECBで珍しいなと思ったのが経済見通しの草稿が事前に漏れ伝わっていたこと。
インフレ見通しが下方修正され、金融緩和からの出口が遠ざかるハト派的な内容でユーロは売られましたが、思ったほど下がっていません。これはなぜでしょう?
ひとつはオプションの影響。ユーロ/米ドルは先週(6月5日~)、1.11ドルに87億ユーロと非常に大きなオプションがありました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
また英総選挙で英ポンドが売られユーロ/英ポンドが上昇していたことの影響もあります。
ユーロ/米ドルの注目は、以前、対談でも話したように、米大統領選の日、昨年(2016年)11月8日(火)につけた高値1.13ドルを抜けられるかどうか、ですね。
【参考記事】
●FRB高官の発言で米6月利上げが濃厚に!ユーロ/ドルは節目の1.13ドルを超えるか!?(5月22日、西原宏一&大橋ひろこ)
●ユーロの調整は数日で終了し、反発!ユーロ/円は126円乗せで130円が視野に(6月1日、西原宏一)
■米ドル/円の「半年サイクル」に注目
このあたりの水準でレンジとなって時間的な調整を完了してから上抜けするパターンになるかもしれないですね。
今週(6月12日~)は、14日(水)深夜にFOMC(米連邦公開市場委員会)、16日(金)に日本銀行の政策発表が控えています。
FOMCは利上げ予想がほぼ100%。日銀は据え置きでしょう。
今回のFOMCでは、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長の記者会見もあります。
年内あと2回の利上げが可能なのか、バランスシート縮小についてどうコメントするのかといったところが焦点ですね。
FOMCの思惑どおりに9月と12月の利上げが濃厚となっても米ドルが買われるかといえば疑問。年後半は1回だけの利上げが現実的かなと思いますし、そうなれば米ドルは上がりにくい。また、サイクルも注目しています。
昨年(2016年)の米ドル/円安値はBrexit(英国のEU離脱)の6月につけた99円。高値は12月のFOMC直後につけた118.66円でした。半年おきに節目をつけており、サイクル的にいえば今月(6月)は安値をつける可能性があります。
米ドル/円は4月安値の108.13円が目先のポイントですよね。
ここを抜けると105円程度までの下落も考えられないことはない。少し怖いですね。

(出所:Bloomberg)
(次ページでは米ドル/円の戦略や「FANG」銘柄の話題が…)
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