■38.2%押しできれいに止められた米ドル/円
先週(7月10日~)、5月高値を更新してきた米ドル/円ですが、14日(金)の米小売売上高が予想外のマイナスとなったことで113円割れへ。
ただ、6月からの上昇幅の38.2%押しできれいに止められています。もう一段下がったとしても50%押しの111.70円あたりが目安でしょうか。

(出所:Bloomberg)
同感です。大きく円高になりそうなイメージはないですね。
先週(7月10日~)はFRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長の委員会証言もありました。
これまでよりもハト派的な発言に終始したために米ドル安が進んだ、という面もありそうですね。
とくに英ポンドや豪ドル、加ドルがドルストレートで上昇しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
米ドルを中心に見るとそうなのですが、個人的には今年(2017年)後半の主役はユーロ、とくにユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)だと考えています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 週足)
4月のフランス大統領選挙以降、ユーロクロスは対円や対英ポンド、対豪ドルなどで上昇してきましたが、先週(7月10日~)半ばから調整が始まっています。
ユーロ/円が崩れ、しかしユーロ/米ドルはほとんど下がっていないため、米ドル/円が下落したという側面もあるかと思います。
【参考記事】
●なぜ英国への投資機運は高まらないのか? 中長期的に英ポンドは続落の可能性高まる(7月13日、西原宏一)
■引き締めに向かう主要国中銀が「密約」?
今の相場の流れを作ったのが、6月末に開かれたECB(欧州中央銀行)フォーラムでした。
ドラギECB総裁やBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])のカーニー総裁、BOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])のポロズ総裁などが相次いでタカ派的な発言を行なったことで世界的に金利が上昇しました。
【参考記事】
●株式よりも金利の動きが今後もカギに? 米国債利回り上昇なら米ドル/円も続伸!(7月3日、西原宏一&大橋ひろこ)
7月15日(土)の日本経済新聞では、一国だけがタカ派的だと通貨高が急激に進んでしまうので主要国が協調したのではないかとする「密約」説を報じていましたよね。
密約はあったのでしょうか?
日本経済新聞の記事は憶測なので真実はわかりませんが、密約を裏返して解釈すれば円売りが正解だということになります。
主要国で金融緩和を継続するのは日本だけになりますから…。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 日足)
(次ページではECBフォーラム後、初めてのECB理事会の話題が…)
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