■豪ドル/米ドルは節目を1年ぶりにブレイク
先週(7月17日~)は豪ドルの上昇が目立ちましたね。
豪ドル/米ドルは過去1年超、ずっと頭を抑えられてきた0.7835ドルの節目を抜けて上昇が加速。すでにメルマガ「FXトレード戦略指令!」でお伝えしたようにロングでエントリーしています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 月足)
先週(7月17日~)、21日(金)にはRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])の副総裁のデベル氏が利上げに慎重な発言をしたことで売られましたが、押しは浅く非常に底堅かった。
RBAが利上げに動き出せば上昇余地は大きい。かつては日本から高金利目当ての投資信託マネーが流れ豪ドル高を演出した記憶があります。その再現があるかどうか、長期的に注目したいですね。
豪ドルと相関性の高い鉄鉱石価格も堅調、中国の4-6月期GDPも市場予想を上回り、環境は良好ですね。

(出所:Bloomberg)
それに豪ドル/円の週足チャートは逆三尊(※)を形成しそうなチャートになっています。
(※編集部注:「逆三尊」とはチャートのパターンの1つで、大底を示す典型的な形とされている。「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」とも呼ばれる。また、「逆三尊」の逆で、天井を示す典型的な形が「三尊」(ヘッド&ショルダーズ))

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 週足)
クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)については、7月28日(金)の米4-6月期GDP・速報値の結果を見てから判断したい。
下ブレするようだと、米ドル/円に引っ張られてクロス円全般、下に行く可能性があります。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
■突発的な北朝鮮リスクに警戒を
北朝鮮のミサイル問題も気になりますね。
トランプ政権は北朝鮮への渡航を禁止すると発表しました。北朝鮮に滞在するアメリカ人への退避勧告を出すのではとのウワサも……。
4月には大きなテーマとなった北朝鮮問題ですが、結局トランプ政権は目立ったアクションを起こしませんでした。
今はマーケットの注目が薄くなっているため、何かあったときのインパクトは大きい。8月に向けて気をつけたいポイントのひとつですね。
【参考記事】
●3つの円高要因が揃い、下落したドル/円。ドル安鮮明にした「110/2 . 3/1270」とは?(4月17日、西原宏一&大橋ひろこ)
●セル・イン・メイで暴落イメージの5月だが、なぜ、今年は上昇を警戒すべきなのか?(5月1日、西原宏一&大橋ひろこ)
8月は円高になりやすいアノマリーもありますからね。110円割れもあるかもしれない。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
今週(7月24日~)はトランプ米大統領の長男やクシュナー米大統領上級顧問、マナフォート選挙対策本部長の証言も控えていますが、わざわざ証言台に立つということは準備を万端に整えているのでしょう。
コミー前FBI(米連邦捜査局)長官のときと同様、無風で通過する可能性のほうが高いと見ています。
■「シントラショック」とユーロ
米ドル/円のレンジが続くとすると今週(7月24日~)はユーロ/円、それに豪ドルの上昇に注目でしょうか。
そうですね。米ドル/円、クロス円は米4-6月期GDP・速報値次第ですが、6月27日(火)の「シントラショック」(ドラギ総裁がポルトガルのシントラで開かれたECBフォーラムで行なったスピーチ)以降、ユーロは新たな局面に入っています。
【参考記事】
●日本がゼロ金利固定の間に欧州や米国は金利正常化へ! ユーロに優位性あり!(7月20日、西原宏一)
ユーロ/米ドル、ユーロ/英ポンドは引き続き押し目買い、0.7835ドルの節目を抜けた豪ドル/米ドルも押し目買いでいいでしょう。
(構成/ミドルマン・高城泰)
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