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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

米ドル/円よりユーロ/円を買うべき理由とは?
今週はSQ絡みの「円高・株安」にご用心!

2017年08月07日(月)16:37公開 (2017年08月07日(月)16:37更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■東芝によるスイスフランの円転が円高要因に

先週(7月31日~)の米ドル/円は、110円割れまで円高が進みました。


背景にあったのはスイスフラン/円の売りだという話ですね。

米ドル/円 1時間足
米ドル/円 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足

経営再建中の東芝ですね。東芝は傘下のスイス企業、ランディス・ギアをIPO(新規上場)させて得た売却益を円に戻していたようです。


先週(7月31日~)は休暇中でしたが、チラチラ相場を見ていると、やけにしつこい円買いが出ていた。その原因は東芝によるスイスフラン/円の売りだったと思われます。

スイスフラン/円 1時間足
スイスフラン/円 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:スイスフラン/円 1時間足

特殊なフローによる円高だったんですね。


それを裏付けるように8月4日(金)の米雇用統計が予想を上回り、さらにコーン米国家経済会議(NEC)委員長が税制改革の年内成立やHIA(本国投資法)について発言したことで、米ドル/円は上昇しました。

米ドル/円 1時間足
米ドル/円 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足

■木曜日のSQを狙った仕掛けに注意!

先週(7月31日~)の米ドル/円安値は109.85円。米ドル/円は今週(8月7日~)、もう一度、安値を試しに行く場面があるかもしれません。


というのも、今週(8月7日~)は11日(金)が山の日のため、東京市場が休場。SQ(※)が1日繰り上がります。元来、8月はアノマリー的にも円高が警戒され、とくに15日(火)は米国債の償還・利払いのため、円買いのフローが出やすい


8月9日(水)あたりから日経平均や米ドル/円の売りを仕掛けてくる投機筋がいるかもしれません。

(※編集部注:「SQ」とは日経225先物などの株価指数先物や株価指数オプションといった取引の最終決済を行なうための価格のこと)

日経平均 日足
日経平均 日足

(出所:Bloomberg)

米ドル/円 4時間足
(米ドル/円 4時間足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

ただ、今の相場の主役はユーロ。米ドルを中心に考えるより、ユーロ中心に考えたほうがわかりやすい展開が続いています。

ユーロVS世界の通貨 日足
ユーロVS世界の通貨 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 日足

■対円、対米ドルともに200週移動平均線で止められたユーロ

ユーロ/米ドルやユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)には調整が入りそうですね。


先日の日経新聞には、「ミセスワタナベがユーロシフト ドルの魅力低下、ポンドも人気」との記事も出ていました。


個人投資家がユーロ買いにシフトしているとの分析です。こうした記事が出てくるようだと、ユーロの反落には警戒したほうがいいかなと思ってしまいますが……。

同感ですね。週足を見るとユーロ/円、ユーロ/米ドルは、ともに200週移動平均線に絡んだところで上昇を止められています。目先は調整がありそう。

【参考記事】
ドラギ総裁は、ややハト派会見でもユーロの上昇トレンド不変! ユーロ/円は135円へ(7月27日、西原宏一)

しかし、そんなに深い調整になるイメージもなく、ユーロ/米ドルは週足レベルでの前回(2016年5月)高値1.1616ドルを割ることはないのかなと思います。

 

「初押しは買い」との格言もありますから、ユーロ/円とユーロ/米ドルが押したところは買っていいのでは。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足

「大転換」ではなく、あくまでも短期的な転換の週というイメージですね。

■ユーロ/スイスフランに注目!

ユーロクロスで注目しているのがユーロ/スイスフラン。

2015年1月、SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])は1.20フランの防衛ラインを放棄、スイスフランが大暴落する「SNBショック」が起きました

【参考記事】
ユーロ/スイスフランが約3800pips大暴落! スイス中銀が防衛ラインの撤廃を発表!

背景にあったのはSNBショックの約1週間後に発表されたECB(欧州中央銀行)の金融緩和です。


事前にECBから耳打ちされていたSNBは1.20フランの防衛をあきらめました。


今後、ECBはテーパリング(※)により金融緩和を縮小させていくことになるため、SNBとしてはスイスフランを再び安くするチャンスだと考えているでしょう。


ユーロ/スイスフランは7月下旬からすでに500pips上がっていますが、まだ上がる余地はあると考えています。

(※編集部注:「テーパリング」とは、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)

ユーロ/スイスフラン 週足
ユーロ/スイスフラン 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 週足

これまでのスイスフラン買いから大転換が起こっているんですね。

中長期的には1.20フラン台への復帰もあるかなと思っています。


■ユーロの押し目は拾いたい

今週(8月7日~)の戦略は?

ひとつは米ドル/円の押し目買い。SQに向けて仕掛け的な売りで下げたところは買っていきたい。


ただ、今の米ドル/円には新鮮なテーマがありませんし、IMM(国際通貨先物市場)で円ショートが溜まっていることも気がかりです。


米ドル/円は、112.50円あたりを超えてこないと結局レンジなのかもしれないですね。

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足

今週(8月7日~)は10日(木)に米生産者物価指数(PPI)が、11日(金)には米消費者物価指数(CPI)の発表が控えています。


予想を上回る数字になり、またコーン議長が言及していたHIAへの期待が再燃するようなら米ドルが巻き戻す週になりそうですが…。

米ドル/円が堅調なら、米ドル/円そのものよりユーロ/円を買ったほうがいいかもしれないですね。

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足

ユーロは調整を挟みながらも上昇していくのでしょうし、米ドル/円が上がればクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)全般が上がりやすくなりますから、「終わってみればユーロ/円のパフォーマンスがいちばんよかった」ということになるかもしれない。

 

あとは先ほどお話したユーロ/スイスフラン。こちらも押し目があれば買っていきたいですね。

(構成/ミドルマン・高城泰)

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