■米ドルは低空飛行状態が続きそう
そうした状況下では、やはり米ドルを積極的に買っていくのは難しいです。
トランプ大統領の発言で、一時的に米ドルが過度に下落したところでの逆張りは機能するかもしれませんが、米ドルが上昇していくところ、あるいは円安が進んでいくところを追いかけていくのは危険です。
【参考記事】
●米ドル/円長期取引は111円近辺を明確に上抜けたら「売り」撤退!では短期取引は?(8月16日、松田哲)
●米ドル/円は重要なサポートゾーンで反発。でも、108円割れの可能性が残る理由とは?(8月15日、バカラ村)
現在は、そういう気持ちを持って、相場に向かうことが必要ではないでしょうか。
そうは言っても、トランプ政権に対する不信感が、すでにマーケットにかなり織り込まれているのも事実であり、このことによって、米ドルが急落するというイメージも持てません。
【参考記事】
●ドルは当面低空飛行!? 投資家が米ドルを買えない一番の原因はトランプ大統領だ!(8月17日、今井雅人)
中期的には、まだ米ドル安リスクや円高リスクはあるという認識を持ちながらも、短期的には、米ドルは安値圏で低空飛行状態が続くと考えておきたいと思います。
(出所:Bloomberg)
■今はレンジディールに徹するべき!
私も現在、そうした認識のもと、米ドル/円とユーロ/円でレンジディール(※)を続けています。
(※編集部注:「レンジディール」とは、一定の値幅の中を行ったり来たりする「レンジ相場」において有効な取引手法のこと。レンジの下限においては押し目買いスタンス、レンジの上限においては戻り売りスタンスがよいとされている)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 4時間足)
こうしたレンジディールを続けるにあたって、2つのことを注意しておく必要があると思います。
1つは、当たり前ですが、「下がったら買って、上がったら売る」という姿勢を維持し続けるということです。一度、その逆をやってしまうとリズムが崩れてしまい、レンジの中で裏目に出るトレードが続いてしまうことがよくあります。それを防ぐには、相場の雰囲気に振り回されないことです。
もう1点は、レンジをどちらかに抜けてしまった場合は、それはそれで諦めるという割り切りです。どうしても相場が上がってきたり、下がってきたりすると、今回は抜けて走ってしまうのではないかと思ってしまいがちです。しかし、そういう考えは持ってはいけません。これを持ってしまうと、レンジディールができなくなってしまいます。
いずれ、相場にトレンドが出てくるのは間違いないでしょうが、そうなれば、そのときにまた、頭を切り替えればいいだけのことです。それまでは、レンジと信じてトレードを続ける心構えを持ってほしいと思います。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!でもおなじみの今井雅人さんからのレポートを受けて、ザイFX!が 配信する「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人(月額:5,500円(税込))」。
その日のニュースをコンパクトに解説し、今後の為替の値動きについての予測とともに、今井氏のポジションについても可能な限り配信する、実践型の有料メルマガです。
「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人」には10日間の無料体験期間がありますので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)