昨日はアジア時間ではドル円が110円台の中盤。かなり円安水準まで値を戻してきた。これは北朝鮮のリスクが変わらないところなのだが、地政学的リスクに対して世の中の受け止め方に免疫ができてきたからだろう。それで金融マーケットでもリスクテークになっているのだ。
海外市場でもリスクテークに流れは変わらなかったが、インドのGDPの伸びが低めだったことで勢いは一服。顕著だったのはドル金利の低下であって、短期も長期も低下がめだった。それでドルが全面安となって、ドル円も軟化。米国株も上昇にストップがかかったようだ。
朝になってみるとドル円は109円台になっていた。これはちょっと意外であった。また夜中にトランプ大統領が変なことでも言ったのかと思って調べてみたが、その形跡はなかった。
さて今晩はアメリカの雇用統計。すでに今月のFOMCでのバランスシートの縮小開始は完全に織り込まれているので、いまさら金融政策を変更させることはない。しかし12月利上げがなくなるのではないかといった先の心配をする局面も出てくるだろう。
このためには必要以上に雇用統計が悪い状態が必要である。就業者数よりも平均時給の伸びのほうが重視されるだろう。明らかにFRBのメンバーが意識しているのは、賃金上昇を含めたインフレ率の動向にあるからだ。
平均時給は事前の予想ではプラス0.3%が見込まれているが、これが極端に低いとマーケットは懸念を示すことになる。12月利上げが吹き飛ぶというよりも、来年の利上げのペースに疑問符が打たれることになるからだ。
この雇用統計で何事も起こらなくても、9月はアメリカの財政審議の行方が市場の関心となる。すでにオバマケアの修正をあきらめた今となっては、新規の財源確保は難しい。そのうえで法人税率を15%まで下げると言っているし、メキシコの壁も作ると主張している。
さらにインフラ整備もしなければいけないし、債務上限の引き上げもやらないといけない。それらの法案が議会を通過するまでは、マーケットは何度もリスクオフに揺すぶられることになりそうだ。
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